ゴクリ…
誰かに見られている
確認した訳ではない
だがわかる
下手をしたら見られているだけで殺されかねないような
そんな強烈な意思を含んだ視線を感じるのだ
感じ始めたのはオイラがとある言葉を口にした直後からだった
その日オイラが口にした言葉は二つ
ホールに着いてすぐ
「今日はバトルスペックの台でも打つかなー」
そしてその後
疲れていたのか、ポロっと口から漏れた言葉が
「癒されてぇなぁ…」
二つ目の言葉を口にした後、背筋にぞっと冷たいものを感じたのだ
はぁ…はぁ…
恐ろしい
いっそこのまま振り向かずにホールを後にしたいところだが
オイラ自身、もう確かめなくては収まらない気持ちになっていた
誰なんだ…一体
視線は感じたままだ
まだこちらを見ている
ゴクリ…
喉が渇く
深呼吸し、息を整える
…よし
意を決し
ゆっくり…
ゆっくりと後ろを振り返る
すると…………そこには
ゴ
ゴクリ………
なんて目だ…
まるで死んだ魚のような？いや生きた魚？
いや生きてるとか死んでるとかそんなんじゃ…
何かを訴えている
まさか
打てとゆうのか
『釣りキチ三平』を…！
たしかにこの台は、癒し系バトルスペックとか言われていた
しかし…
しかし今更じゃあないか！
今になって三平打って…
見てくれている人達は楽しめるのかなぁ！？
あぁあぁあぁ!
出てこないで出てこないで、嘘ですごめんなさい
怖いよ恐いよ
モチベーションがあがらねぇよ！
今のオイラには打てない！打てないよ！
ざっと翻し、早足でその場を去る
ずっと視線を反らさず、こちらを見つめている
ごめん…ごめんよ
次に来たときには、必ず君を打つつもりで来るから
罪悪感はあったが別の台を打つことにした
癒されるバトルスペックってゆうと何があるかな
ウーン…
なんとなくホールを歩きまわりながら考える
ふと一つの台の前に止まる
むぅ
この台か
バトルスペック…ではないけど、バトルはするし
女の子いっぱいで癒されるし…
個人的に打ちたい気持ちもあるし、よし！
本日はこれ！
この台には嫌な思い出しかない…
自身1台での一日最高負け額は95000円だが
それを叩きだしたのが、何を隠そうこの台である
よぉくおぼえてる
絶望の中、ただただ玉貸ボタンを押す作業を繰り返す
感情なんか何もなく
ただ押す
気付けば財布の中身はすっからかん
得たのは大量の小当たりと焦燥感だけだった
こえぇ…
でも…原作も演出も好きなんだ
嫌な印象のまま終わりたくなんかないんだ！
開始！
スペックは辛いが、映像も綺麗だし、ガセは多いけど演出面白い
だがただ一つこの台大きな問題があるんだよな
まぁ言わなくてもわかりますよね？
わかんない？おいおい…
お前っ…パンツだろうが！
原作ではパンチラどころかパンモロ出しまくりなのに
パンツが見えねぇんだよ！
一騎当千って言ったら巨乳とパンツなんだよっ
まぁ巨乳に関してはいい、ってかオイラのオキニは孔明(中学生)だからそんな気にしない
でもお前っ…パンツはっ…パンツだけはっ…お前っ…
