パチンコパチスロ天下一日記バトル
著者:シンゴ
「あの頃ぼくらは若かった…」
初めまして、私シンゴと申します。
久々に開催される天下一日記バトルの新ルール、4000文字制限を見て、
これならライターさん達の様な濃い内容じゃなくても書けるかも…そう思い、挑戦してみる事にしました!
昔話ですし、内輪のネタですが、よろしくお願いします!
「人間は寝ないで何日過ごせるのか?」
この一言から全ては始まった。
それを口に出したのは敦でした。
初対面で、敦です!と苗字を名乗らないような奴だった。
そんな敦ですが、話せば全然普通で、成績も優秀な奴でした。
そんな敦の問いかけに、私シンゴともう一人の友人石井は。
「3日位かなぁ?」
と、しか言えませんでした。
酒も入っていたし、大学は春休みだったので…
実証しよう!という事になりました。
明後日から3日間のイベントで、まず朝からスロを打つ!そのまま朝まで麻雀をして、朝からまた打つ。
その間にウトウトしたらその都度千円を封筒に入れ、完全に寝たらリタイアで一万円。
最後まで寝なかった奴が貯めたお金を総取り。
そんなルールで始めました。
当時は4号機の後半で、まだイベントもやっていたので、大学なんて全然行かずに打っていました。
後から来た山ちゃんにもその話をし。
私シンゴ、敦、石井、山ちゃんの4人で、実証する事となった。
〜チャレンジ初日〜
敦
「負ける気がしない!」
石井
「バップ(罰金)はマジで取るからね!?」
山ちゃん
「まぁでも〜…」
敦、石井、山ちゃん
「絶対シンゴが寝るから大丈夫だな」
そう、私シンゴはいつでもどこでも寝れるので、とても不安だった。
しかし私も馬鹿ではない!
昨日は夕方には寝たのだ!
寝溜めはしっかりやってきた!
私
「負けねぇよ!?」
開店時間になり、狙うは北斗(初代)、朝一のリールで設定が分かるようなイベントだった。
この日は全員が抽選が良くて、敦が6、他の皆も456や56を打てた。
この日の収支は4人で+10万以上であった。
そして雀荘へ。
敦
「山ちゃんの顎はテニスラケットの根元みたいにシャクれてる!」
山ちゃん以外
「ぶははははは!」
山ちゃん
「笑いすぎ」
と、徹夜のテンションで全然面白くない話で笑ったり、石井が役満出したりこの日は大いに盛り上がった。
結局初日は誰もバップを払うこと無く終了した。
〜2日目〜
朝が来た…ちょっと、ダルい。
しかしそこは大学生!
2日くらいなら皆平気!だが…
この日は1台しか良い台を取れなかった…
しかも5号機の最初に出たエヴァ。
爆発力のある4号機がまだあった時期なので、皆渋々だった。
ホール内をウロウロしてみるが、なかなか腰が落ち着かない。
そんな事を考えていると…
石井
「あー!シンゴ今寝てただろ!?」
石井が大声で叫んだので、ビクッとしてしまう。
私
「ね、寝てねぇよ!」
ヤバい!と思い少し強い言い方をしてしまった。
石井
「寝てただろー!」
だが石井もかなり強く言い返してきた。
そうなのだ、多分この時みんな結構眠たかったのだ。
こういう罰ゲームは最初が大事、最初は気の弱いヤツが負けた方が良い。
恐らくは石井もそれを狙っていたのであろう。
払え!払わねぇよ!と、押し問答が続く中、石井が私の首絞めてきた!
私も石井の首を絞める!
お互いに首を閉め合い、首に全力で力を入れる。
我々はこれを首相撲と呼んでいた。
別に喧嘩をしている訳では無い、じゃれてるというか…肩パンみたいなものだ。
それを見た敦が、ニヤニヤしながら近付いてくる。
やめろと言いながらもそんなに止めては来ない。
しばらく首相撲をして…「キレてないですよ」と、長州小力のモノマネをするのが当時は面白かった。
今では何が面白いのか分からないが、学生時代とはそういうものではないだろうか?
ただ石井は柔道の有段者だったので、握力は強かった。
前にも山ちゃんが酔って石井にお尻をくっつけていた時に石井は山ちゃんを路上で投げ飛ばし、馬乗りになって「うるせぇー!!」と怒鳴っていた。
山ちゃんは下半身丸出しで路上に転がっていた。
今日は早めに切り上げて麻雀をしようとなった。
さすがに全員に眠気が襲ってくる。
昨日よりも口数が少ない。
「お前の顎は…」昨日は爆笑していたネタも全然面白くない。
気付けば皆バップを払い、結構な金額が封筒に入っていた。
そんな中、誰かが言った。
「もう寝ないか?」
だが、「じゃあ一万入れろよ」となる。
一万円、これは大きかった…それにリタイアしたら総取りが出来なくなってしまう。
全員疑心暗鬼になり、5分もトイレに行こうものなら皆から疑われた。
トイレに行くのは二人以上で2分以内、という新ルールも追加された。
結局誰も脱落することなく3日目に突入した。
〜3日目〜
目がゴロゴロしてる、風呂に入りたい。
抽選が終わり、その番号を見て今日も明らかに良い台を打てないぞ、となり…
皆で並んでパチンコでも打つ?と誰かが言った。
確かにスロの高設定だと、並びでは打てない。
でもパチンコなら並びで打つ事ができる。
当時のパチンコなら今ほど回らないという事もないし、並んでれば寝てる奴を見つける事が出来る。
もう夜の麻雀から完全に共食い状態に突入、何とか誰かを脱落させたい一心だった。
1番先に入店する石井が打つ機種を決める事になり。
私は2番手で入店し、石井を探した。
そして石井が座っていた機種は…
ウルトラセブンに石井は座っていた。
後から入って来た皆も少し顔が引きつっていた。
そりゃあそうだ、1/479のゴリッゴリのMAXタイプ。
私も何度か打ったことはあったが、とにかく何も起きない時は何も起きない。
4号機パチスロの時はスロばっかりだったし、パチンコはヘソに入らない玉が無駄だと思ってた。
しかも…この状況でセブンって。
4号機パチスロならまだ動作があるが、パチンコはハンドルを握っているだけ…これは眠くなるぞ…?
案の定スタート直後から睡魔がやってくる。
そしてその睡魔は普通の睡魔ではない。
丸2日間分の睡魔なのだ。
ウトウトが止まらない!
1度眠くなるとちょっと揺さぶった位では眠気は覚めない。
ウトウトが止まらない!!
リポDを飲んだり、連続でタバコを吸ったり、自分で頬を叩いたりしても覚めない!
ウトウトが止まらないっ!!!
石井!俺の顔を叩いてく…っ痛たぁっ!!
私がしゃべり終わる前に石井は私を殴っていた。
山ちゃんと敦に至っては真冬に上着を置いて外に走りに行っていた。
皆結構バップを払っていた、誰も負けたくない。
そんな中、事件が…
山ちゃんがトイレから出てこない。
個室に入った山ちゃんがどんなにノックしても、携帯に電話しても出てこないのだ。
これはさすがにアウト、満場一致でアウト。
「山崎、アウト〜」
山ちゃんは1時間位してやっと帰ってきたが、何も言わずに一万円を払い休憩所へ向かった。
これで後3人…
不思議なもので、当たりを引くと眠気は無くなる。
私と敦は何度か当たりを引けたので、その時だけは眠気から解放された。
だが石井は…石井は当たりを引けないまま、1000回転に到達していた…
そして…
石井
「これで勘弁して下さい…」
一万円札を両手で差し出し、石井もホールの休憩所に消えていった。
「石井、アウト〜」
ここからは決勝、私と敦の一騎打ち。
当たりを引け!引ければ眠くならない!敦はハマれ!!
敦も同じ気持ちだっただろう。
私は昨日の麻雀の時点で既に三万以上払っている。
…負けられない。
夕方になり、山ちゃんと石井が少しスッキリした顔でやって来た。
そして「どうするの?」と言った。
もう意地である!
意地でそのまま雀荘向かった。
とりあえず雀荘での麻雀で覚えているのは…
これが提灯お化けに見えたり…
赤五萬の赤い所が血の色に見えたり…
何故だか卓上に橋が架かって見えたり…
まともに打てていなかった。
だが遂に決着の瞬間が訪れる。
敦が牌を切ったその時…
ロン!
私はそう言って牌を倒した。
この画像は違う時のものだし、役満でも無かった…
私が倒した牌は全然バラバラだったのだ。
国士無双ではない、ただのノーテン。
完全なる誤ロン、さらに私は牌を倒したままで完全に意識を失っていた。
「シンゴ、アウト〜」
こうなってしまっては続行不能、と皆判断したらしく終了となったそうだ。
暫くして私は目を覚ました。
横には敦が転がっていた。
全然頭が追いついていなかったが、寝ていたのは雀荘の倉庫であった。
恐らく雀荘の店員さんと仲が良かったので、石井達が事情を説明してそこで寝させて貰ったのだろう。
寝ている敦の手にはしっかりと勝者の証の封筒が握られていた。
それを見た私はなぜか安心してまた眠りについた…
3日半に及ぶ闘いはこうして幕を閉じた
今回の実証の結論。
「人はせいぜい3日間しか起きていられない」
…最初から分かってたじゃないか。
「寝溜めは出来ない!」
これも誰でも知ってる…
それに結局リアルタイムで何も打っていない…
まぁ…これが私達の青春だったのだ。
次回は「モテろ!合コン大作戦!」
機会があればまたよろしくお願いします!
ありがとうございました!
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