パチンコパチスロ天下一日記バトル
著者:変なおじさん
また皆様とお会い出来て嬉しいです。
皆様は予知能力って信じますか?
おじさんは非科学的なモノは信じません。
世の中には信じる以上に自分にその力があると思う者も存在する。
その能力者の名前は矢沢。(28歳)
こいつの能力は最低で、パチンコでハマリ喰らう人間を予知するモノだった。
パチンコを朝から打つ人間に向かって
『あんた今日はハマるからね!』
なんて言うたら常連同士でも揉める。
揉めたらおじさんが止めに入った記憶は懐かしい。
矢沢は病弱で働けない。
おじさん
『矢沢よ…お前さ。
毎日パチンコ屋で変な能力を使うならよ、
正攻法教えてやるからやってみないか?』
矢沢
『えー。やだよ。
めどくせぇぇ。
でもおじさんみたいに勝ててるのは気分いいだろうな。』
毎日パチ屋に入り浸っているだけあって、おじさんの事をよく観察していた。
そんな事で能力者矢沢におじさんが先生になって指南する事に…。
オカルト大好きな矢沢に教えた事。
・回る北斗無双を打て。
・右打ちは止めうちをしろ。
この2点だけ。
最初の頃はおじさんが回る台を示唆した。
ブツブツ言いながら言いつけを守っている矢沢。
若さもあって筋が良い。
ただ正攻法にありがちなのだが、最初に不運を喰らうと正攻法自体を疑ってしまう。
矢沢
『おじさんの言う通りにしても勝てないじゃんか。』
スラムダンク愛好家のおじさんは一度は言ってみたい台詞だった。
一週間ほどであろうか、矢沢のコーチングを終えたのは…。
おじさんは近くでグランドオープンしたお店(以下:A店)があったので、しばらくそっちに通う事になった。
そんな時に矢沢とA店で出会った。
おじさん
『矢沢!この店はまだお前には早い!
釘だってメリハリ調整だから、釘読みが出来ないお前は対抗できないんだよ。』
矢沢
『うるせぇ!!
今の俺はこの店だって通用するんだよ。
もう放ってくれよ!』
年甲斐も無く矢沢と喧嘩別れをしてしまった。
その後、数週間もA店で矢沢を見ない。
私の説得が効いたのか?を確認するためにマイホに向かう。
マイホのバラエティーコーナーで回らない台を打つ矢沢を見つけた…
そこにいたのは、かつてオカルト全開の矢沢だった。
こうなってはおじさんではどうにもならない。
グランドオープンしたA店で軍団を率いている人間と仲良くなったのを思い出した。
軍団で矢沢の面倒を見て貰おうと思い矢沢に声をかけた。
オカルト全開で負け続けたのもあり、すんなりと軍団入りを受け入れた矢沢。
数日後。
軍団長の言う事を聞かずに止め打ちや報告をサボりだす矢沢。
紹介したおじさんが呼び出されて軍団長に怒られる。
怒りを抑えながらもすぐに矢沢を呼びつけた。
矢沢を諭すおじさん。
矢沢
『いや!軍団のために俺はいねぇーから!
意味わかんねぇーから!!
俺は俺のためだから!』
正論である。
おじさん諭し方を間違えた。猛省。
ここで諦めたらいけない。
前途ある若い打ち子を未来に羽ばたかせるためには…
おじさん
『石の上にも3年っていうてな、打ち子も3年やれば立派な打ち子になれるんだよ…』
矢沢
『クズじゃん!!クズがよりクズになるだけじゃん!』
おじさん
『分かった分かった・・・じゃ、もう・・・』
矢沢
『諦めるよ!もう正攻法はやらないからな!』
また喧嘩別れ。
コイツとはよく喧嘩するな。
だけど人間らしい矢沢と対面したのはこの時が最後だった。
一旦、稼動日記に参りましょう。
最近ではずっと甘デジ海物語を打っている。
回る北斗無双は若い軍団達に抑えられちゃうからね。
回るといっても1日の期待値2万円無い。
だったら1日打って2万円の甘デジ打つ方がリスクは低い。
荒れないからね。
甘デジ海物語は日記にしにくいの。
ライターさん達はよくやってるよ。ほんと。
なので保険にしている黄門ちゃまの甘デジで今回は勝負!
ここがポイントなんだけど、一つ古いバージョンの台を大事に使うお店ってあるのよ。
理由は二つ。
・新台を入れ替える金が無い。
・店長が愛着ありかつ稼働率もそこそこに良い。
こういうバラエティーにポツンとある古い台。
回ってくれるのよ。
おじさんみたいなセミプロでも常連だと、朝から全ツッパしても店側は嫌がらないしね。
これ爆発した時とかすんごいのよ。
スペック的には平均連チャン数は5.7回なんだけど。
おじさん最高66連した事あるんだから!
と、思ったら上には上がいました(笑)
一撃96連チャン
とんでもない記録だよね。
こんなの見せつけられたらさ。
おじさんの最高14連止まりの稼動日記なんて意味ないよね。
うっかり眼鏡をしたままお風呂に入る事あるけど、風呂で眼鏡くらい意味ないよね。
では、矢沢との後半エピソードへ。
実は矢沢。
暴行事件を起こしたの。
冒頭で話したけど、矢沢が持っている特殊能力の事。
その能力の真偽は棚上げするとして。
『あんた今日はハマるよ!』
なんて言い続けたら…そらいつか喧嘩になるよ。
病弱な矢沢に勝ち目は無い。
結果、半年以上の車椅子生活を余儀なくされた。
パチンコを車椅子のせいで打てなくなった矢沢はいつも寂しそうにホールに通う。
それでもこいつは、その未来予知能力を使い続けた。
最初は腹いせかな?とも思った。
でも、またあんな怖い目に合う可能性もわるけで。
今度は車椅子なんだからもっと酷い事をされるかもしれない…。
矢沢との関係は冷え切っていたが、話してみるか。
おじさん
『おい、矢沢。』
矢沢
『お、おじさん。』
話しかけて貰ったのが嬉しかったのか、一瞬だが矢沢から笑みがこぼれた。
おじさん
『お前は何でわざわざパチンコ打てないのにパチンコ屋にきて
あんたはまるよ!なんて言うんだ?
そんな事を言われたらお前だって嫌だろう?』
矢沢
『・・・。』
うるさいホール内で数分の沈黙の後、矢沢は喋り出した。
矢沢
『俺に特殊能力なんて無いんだよ。』
おじさん
『!?』
こいつの事を痛い奴だと思っていたが、嘘だと??
どいう事だ?
じっくり話を聞いてみた。
こいつの父親と母親はパチンコに狂い一家は借金まみれ。
借りた場所も悪かった。
取り立てのルールも守らず、近所の住人まで取り立ててたらしい。
それに耐えられない親達は当時小学5年生だった矢沢を…
一人置いて逃げてしまった。
矢沢はパチンコで熱くなり毎日お金をつぎ込んでいく人を見ていられなかった。
だから特殊能力と偽って、ハマリを予言したかのように見せて相手にあんな事を…。
矢沢曰く、単に注意喚起だと聞いてもらえないという。
預言者の如く、オカルトに対してはオカルトで立ち向かったという。
おじさんは激しく感動した。
おじさんも仲間にパチンコ依存症で不幸になった友人がいる。
矢沢
『でもさ。
俺もパチンコ打ちてぇよ。
0.5パチでもいいんだよ。』
最後にこの言葉をいって会話が終了。
おじさんは何とかしたいと思い、ゴリラ店長に相談しにいった。
ここのゴリ店長はハートがある。
ボッタな所を許せるくらい大きなハートが(笑)
事の真相を全て話し伝えた。
ゴリ店長もパチンコを打たずに車椅子で毎日来ている矢沢を気にかけていた様子。
ゴリ店長
『わかった。俺がなんとかしよう。
明日また、矢沢さんと一緒に来てくれ。』
ゴリ店長の行動は早かった。
次の日。
ゴリ店長が椅子を外してくれた。
これには矢沢は大喜び。
ここで追記があるのだが、矢沢の難病は悪化の一途が激しく来月には入院しなければならない。
これが最後のパチンコ。
ゴリ店長が動かされた理由の一つ。
矢沢は夢中でパチンコを打った。
お茶を飲む事も忘れて。
夢中で打った。
そして…
おじさんは何とかしたいと思い、ゴリラ店長に相談しにいった。
正攻法を信じるおじさんの立場上、何とかなったらなったでこの店には二度と行かないが…
それでもゴリ店長の元へ。
ゴリ店長は主任と話を始めた。
ゴリ店長
『何とかならんか?』
主任
『なる訳ないですよ(笑』
ゴリ店長
『店長ボタンは無いのか?』
主任
『ある訳ないですよ(笑』
主任
『わるけねぇーだろうがっ!
知ってるだろうが!!』
ゴリ店長
『おじさん、すいません。
店長ボタンは無いそうです。
矢沢さんに自力で引いて頂くしか…』
おじさん
『そ、そうですよね・・ご無理を言いました(汗』
そして1218回転目についに引いた!
矢沢の満面の笑み。
単発だったけど。
それでも矢沢は100連したかのような笑顔だった。
これが最後のパチンコは本人が一番よく分かっていたからね。
パチンコに翻弄され続けた人生だったかもしれない。
ただ最後はパチンコに感謝して、またパチンコ打ちたいから病気を治すと言ってくれた。
不幸自慢はきりがない。
こいつの前向きさと優しさは紛れもなく愛なんだろう。
私もパチンコに出会えて良かったと思えるように死ぬまで付き合いたい思う。
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