皆のパチスロ読者日記!


この日記の2ページ目です。




彼女が探している職種は、簿記の資格を生かせるところ。


シングルマザーの就職難についてはある程度知ってはいたが、これほどまでに決まらないと、多少はおかしくも感じる。


かれこれ、一ヶ月以上彼女は就職活動を続けていたのだ。


しかも出かけるのは朝で、帰りは夜。


遅くなるときは、みぃちゃんを寝かしつけた後になることも。


怪訝に思いながらも、私は何も尋ねなかった。


きっと、言いづらい事情があるのだろう…。


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ある、休日の朝。


私はれい子に、これから向かう旨をメールで伝え、車で母子の住むアパートを目指した。


この日は、みぃちゃんにホットケーキを作ってあげる約束をしていたのを今でもハッキリ覚えている。


材料を整えるのに少し手間取ってしまい、約束の時間より10分過ぎたあたりで到着すると、入れ違いのようにれい子は慌てて出ていった。


これはいつものこと。


彼女はいつでも慌てていた。


しかしこの直後、私の携帯電話に驚愕の真実を知らせるメールが届く。


差出人はれい子だった。


〈↓覚えている限りの原文〉


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


おはよー


シッター君が来るの遅れたせいで、一本後の電車になりまーすっ!!


駅までお迎えよろしくね!


早く逢いた〜い〜


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


どうやら、“カレシ”に送るはずのメールを、間違って私に送ってきたようなのだ。


何度確認しても、差出人はれい子。


流石の私も、この期に及んで、


“いや!何かの間違いに決まってる”


などと思う訳もなく…


“疑念”がどす黒い“確信”に変わっていくのを感じた。


私は、メールに返信しなかった。




いや、出来なかったと言った方が正しいか。


とにかくみぃちゃんに悟られないように平静を装いつつ、努めて明るく一日を過ごした。


彼女はメールを私に誤送信してしまったことに気づいている筈だ。


電車に遅れる旨は相手に届いてないのだから。


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しかし…


何故私に言い訳の連絡すらないのか。


怖くて連絡してこれないのだろうか。


私は、彼女の神経をも疑い始めていた。


れい子が帰宅したのは、みぃちゃんが静かに寝息を立て始めた頃だった。


『ただいま…』


目を合わせず寝室に向かう彼女。


“おかえり”とだけ言って、彼女の様子を見守った。


このまますべてを無かったことにして、平然と過ごすことが出来るほど私は人間が出来ていない。


かと言って、事情次第では不問に出来るぐらいの精神的余裕はあった。


まずは真実が知りたい。


すべてを話して欲しかった。


充分過ぎるほど時間を掛けて部屋着に着替えた彼女が姿を見せた瞬間…


“シッター君にわかりやすく説明してくれよ”


私はこれだけを言い放った。


嘘をついていたことは分かっている、ということを伝えるには十分なほど、言葉には冷気を含ませた。


ペタンと私の前に座ったれい子は、


『本当にごめんなさい』


こう言いながら、頭を深々と下げた。


声が少し震えていた。


泣くのは想定内だったし、私の心は動かなかった。


“全てを正直に話して欲しい。

嘘偽りなく話してくれれば、僕は怒ったりしないよ”



言葉に温度を持たせつつ、水を向けてやる。


『怒らない?絶対に怒らないって約束してくれる?』


“怒らないよ。約束する”


れい子は、ポツリポツリと話し出した。


嘘をついているだろうと思われるところには、容赦ない追求を浴びせ、時間を掛けて事の全容を聞き出した。


……………


話を聞きながら、吐き気を催すほどだった。




私の予想の範疇を遥かに超えるほどのひどい話であった。


まず、相手の男について。


妻帯者。


…。


不倫だった。




しかも驚愕したのは付き合っている期間。


なんと、一年前からだと言う。


そう。


茂の浮気を許さなかったれい子は、裏で立派に不貞を働いていたことになる。


クリスマスの時も、みぃちゃんの誕生会の時も。


表の顔では円満な家庭を演じていて、この夫婦は裏でとんでもないことになっていたわけなのだ。


見抜けなかった。


そもそも疑う必要もなかった。


何も知らなかったのは、私とみぃちゃんだけだったわけか…


私はいいが、みぃちゃんを思うと涙が出そうになった。


更に。


脳梗塞の話も嘘。




入院なんてしていなかった。


見舞いを頑なに拒否した理由が、まさかまさかの『そもそも入院なんてしていないから』だったとは。


これは流石の私もビックリした。


私が貸した30万は、利息が発生する借金の返済に充てたらしい。


とにかく…


全てが嘘だった。


一生懸命仕事と保育所を探していると信じていた私は、自身の休みを全て捧げてきた。


茂の『アイツらを頼む』という言葉を胸に、少しでも役に立ちたい一心だった。


その裏でれい子は…


肉欲に身を任せ、色情に溺れていた。


私はこんなヤツの為に貴重な休みを捧げていた…。


私はこんなヤツに秘宝伝のEを譲っていた…。


そして、こんなヤツに私の命というべき仕事を手伝わせていた…。


後悔する気すら起きなかった。


“二度と連絡してくるな”


こう力なく呟き、フラフラの足取りで部屋を出た。


この日を最後に、れい子とみぃちゃんには会っていない。


みぃちゃんには、アンパンマンミュージアムに連れて行く約束をしていた。


それを一方的に反故にしてしまったことだけは心残りだった。


因みに…30万も未だ返って来ていない。


これは流石に諦めてはいるが。


私は…れい子に対して“怒り”を覚えなかった。


もしかしたら、沸点を感じる間もなく人としての興味を失ってしまったのかもしれない。


残ったのは、深い悲しみだけだった。


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