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パチスロ借金物語
著者:ゼン



「れい子(仮)」という飛び切り綺麗な女性がいた。


パチンコ日記




私の友人「茂(仮)」のお嫁さん“だった”人だ。


茂とは高校時代からの友人であり、パチスロ仲間。


私は、茂とれい子が恋人同士になる過程から、結婚に至るまでを身近で見守ってきた。


それほど近い付き合いだった。


そして二人には「みぃちゃん」という4歳になる娘がいた。


パチンコ日記




みぃちゃんの誕生日や二人の結婚記念日には自宅に呼ばれ、よく四人でお祝いをしたものだ。


私には家庭が無かったが、まさに家族ぐるみの付き合い。


そんな中…


この幸せな家庭が、突如崩壊することになる。


ある夜、パチスロを打っていた私に一本の電話が入る。


錯乱したれい子からの電話だった。


『茂が浮気した』




信じられなかった。


まさか茂が…。


何より家庭を大事にしていた茂。


もちろんれい子のことも愛していたように見えた。


私はひとまず、『みぃちゃんを連れて実家に帰る』と息巻くれい子をなだめ、茂に連絡を入れてみた。


茂は近所のパチンコ屋にいた。


私は、遊技していた高設定の初代秘宝伝を捨て、すぐに茂のもとに向かった。


“お前、浮気したの?”




虚ろな目をしながらパチンコを打っていた茂を無理やり表に引っ張りだし、詰問した。


「…あぁ、バレた」


話を聞くと、相手の女性は同じ会社の部署違いの娘であり、二人の付き合いは半年になろうとしていた。


風〇遊びが露呈したぐらいに思っていたのだが、実情は想像と大きく掛け離れたものであった。


一瞬の気の迷いなどではなく、時間を掛けて逢瀬を繰り返し、

茂が他方に向けたその愛情は、大きく深いものに育っていたのだ。


私は茂を詰った。


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クリスマスの時も、みぃちゃんの誕生会の時も、コイツは他の女を愛していたのだ。


許せなかった。


直接的には私に関係のない話だが、なぜか大きく裏切られた気がした。


ひとまず三人で話そうと茂を促す。


私は…


家庭が出来上がっていく様を、幸せな気持ちで見守ってきた。


それが壊れていく姿を見るなんて御免だった。


茂が女としっかり別れて反省すれば、なんとかなる。


私はそう信じることにし、とにかく間に入って話し合いを設けたかった。


なんとか出来るものならなんとかしたい。


とにかくこの時はパチンコを打っている場合などではないことは確かだった。


“家に帰るぞ”


茂を促す。


しかし茂は首を立てに振らない。


私はイライラして、


“いい加減にしろテメェ!早く行くぞ!”


襟首を掴んで引っ張ると、茂は信じがたい行動に出た。


パチンコ日記




「うるせぇ!

テメェには関係ねぇ話だろ!

俺のことは放っとけ!!」



私の手を振りほどき、パチンコ屋の中に消えて行った。


信じられない茂の反応に呆気に取られたが、すぐに大きな怒りがそれを塗りつぶす。


私は茂を追い掛ける。


歩いているヤツの肩を強引に掴み寄せ、


“いいから来い”


再び表に連れ出そうとした時に、茂が泣いているのに気づいた。


なんでだ?




なんで泣く?


大事にしていた父親が亡くなった時ですら、人前で泣くのを堪えていた茂が泣いている。


私はひとまず語気を抑え、自分の車に茂を乗せた。


“何があった?話してみろよ”


優しく語りかけても茂は嗚咽を繰り返すばかり。


何かとんでもない事情が裏にあるような気がした。


それを聞き出さないことには、私は動けなかった。


辛抱強く待ったが、結局茂は何も語らず…


最後にポツリと…


「ゴメンな。

いくら相手がお前であっても話せないことがあるんだ。

アイツらを頼むな。」



こう呟いて、茂は車を降りて行った。


私の頭の中は疑問符だらけであったが、とにかくれい子とみぃちゃんが心配だったので、すぐに彼女に連絡を入れた。


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…。


遅かった。


彼女は娘を連れて実家に向かうタクシーの車中だったのだ。


私は胸にどす黒い塊を抱えたまま、家に帰ることしか出来なかった。


翌日も、翌々日も、夫婦にメールを送った。


返信は無かった。


着信を残しても、私の携帯のディスプレイに夫婦の名前が光ることはなかった。


ほどなくして、彼らは離婚した。




れい子から届いた一通のメールで知ったことだった。


当然、親権はれい子。


茂とは連絡が取れなかった。


長く温かかった結婚生活が、たった一通のメールで終幕を告げる。


私は悲しみを通り越し、滑稽にすら感じてしまった。


そうやって心を逃がす他に、自己を保つ術が見つからなかったのだろう。


れい子が…


そしてみぃちゃんが不憫でならなかった。


……………


離婚にまつわる諸処理が終わった頃、れい子とみぃちゃんが私に会いに来た。


私は二人を車に乗せ、横浜に出かけた。


中華街でご飯を食べさせ、横浜コスモワールドでみぃちゃんを楽しませた。


帰りの車中。


寝息を立てるみぃちゃんを確認すると、れい子は静かに口を開いた。


『色々ゴメンね…』から始まる彼女の話をまとめると、こういうことだった。


まずは浮気の発覚。


何かの用事でれい子が茂のパソコンを開けた時、検索履歴の中から


[妊娠検査薬]


[中絶費用]


こういった言葉をみつけたらしいのだ。


身に覚えのなかったれい子は訝しく思い、いけないことと理解しつつも入浴中の茂の携帯を盗み見てしまう。


次から次へと止めどなく溢れる浮気の証拠に、れい子は吐き気を覚えたほどだと語っていた。


そして頭に血が昇ったれい子は、入浴中にも関わらず、茂に詰め寄ったのだ。


観念した茂は全てを認め、その日すぐに家を追い出された。


それが、最後に私が茂と話したあの晩だ。


そして、ほどなくして離婚が成立。


れい子は、二度と娘に会わせないことを条件に慰謝料と養育費を放棄し、茂との絶縁を選んだ。


冷静ではなかったのだろう。


職を持たないれい子はどうやって娘を育てて行くつもりだったのか。


二人には大した蓄えもなく、住んでいた部屋も賃貸のマンション。


分与で揉める必要のない、なけなしの額を受け取り、彼女たちの母子生活が始まった。


そして、すぐに彼女には職を見つける必要があり、それには誰かの手助けが必要だったのだ。


そう、みぃちゃんのお守りだ。


面接に娘を連れて行く訳にはいかなかった。


私はその役目を買って出た。


幸いにも仕事は週休2日貰えていたし、その休みは全て平日。


私の休みに面接や保育所探しをぶつければ、彼女は安心して生活基盤を整えることが出来る。


私に出来ることはこれぐらいしかなかった。


幸いにもみぃちゃんは私に懐いていたし、嫌なことをやるという意識はなかった。


そうなってから、休日の度に朝かられい子の家に行き、みぃちゃんと過ごす日々が始まった。


一緒にアニメを観たり、絵本を読んだり…


近所の動物公園に出掛けたり、不二家に連れて行ったり…


健康的な休日を楽しんだ。


夜になればクタクタになったれい子が戻るので、夕飯を用意して待つこともあった。


彼女は私に何度も感謝の言葉を伝えてきた。


このまま一緒に住んでほしいとまで言われたが、私にとってれい子は、いつまでたっても茂の嫁さんであったし、

それ以上の感情が芽生えることはなかった。


言うなればそれだけの軽口が叩けるほどの日常を取り戻していたという事だ。


この頃の私は、仕事終わりにもっぱらパチスロを打った。


夕方に設定発表を行う甘い店があったので、そこで高設定ばかりを打てていたのだ。


れい子の母親にみぃちゃんを預けている時などは、彼女を呼んで秘宝伝のEを譲ったりもした。


れい子達の生活は厳しいものだった。


何度か『お金を貸してほしい』と言われたが、私はそれに応えなかった。


友人同士のお金の貸し借りは、発生した時点で関係に序列が生じてしまう。


双方が心から信頼し合える間柄でない限り、私はお金の貸し借りをしない。


これは今も昔も変わらないのだが、れい子にお金を貸さなかったのはそれが理由だった。


なので、勝てる台を打たせたり…


時には私の仕事で扱う簡単な伝票整理のアルバイトさせたりして、生活を助けていた。


あくまでも『貸し』と『借り』を作りたくなかったのだ。


しかし…


このスタンスも長くは続かなかった。


れい子が身体を壊してしまったのだ。


長引く頭痛と目眩に加えて手の痺れを感じると言い出したので病院に行かせたところ…


軽度の脳梗塞が発覚。




これにより短期の入院治療が必要となり、どうしてもお金が必要になってしまったのだ。


もちろん母子家庭なので医療費は掛からないが、みぃちゃんの生活費等、


実家に迷惑を掛けるわけにはいかないらしく、私が用立てすることになった。


事情が事情だけに、私の小さな拘りなどは捨てることにし、当面の生活費も含め、


申し出の30万円を貸すことにした。


見舞いも兼ねて直接渡したかったのだが、男性の影を知られると何かと面倒な疑いを掛けられてしまうとのことで、銀行に振り込む形を取った。


30万は大金だが、黙って貸した。


返って来ないものとして、貸した。


数日後、無事にれい子は退院し、すぐに就職活動を再開。


もちろん私は止めた。


お金のことなど気にしなくていいから、とにかく身体を第一にして欲しいと言って聞かせた。


しかしれい子は頑なだった。


私の休日にはみぃちゃんを預け、朝から晩まで『就職活動』の為に出掛けて行ったのだ。


……。


この辺りで、私の中には小さな疑念が鎌首をもたげ始めていた…。


何故こんなに仕事が決まらないのだろうか。


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