「パチスロやめないなら別れたい」
そう彼女に告げられたのは先月の事だった。
付き合って1年。
現在は同棲していて、結婚も俺の次第といったところだが、
まだ俺自身に覚悟が決まらず、
彼女の意思はひしひしと感じるものの決断できずにいた。
そんな矢先の言葉だった。
同棲するまではパチスロをするとは言ってなかったのだが、
同棲が始まってすぐ、タバコの匂いでバレた。
まあ隠すことでもないだろうと思って、全て正直に言った。
その時は特に驚いた様子もなく受け入れてくれたのだが、
なぜか1年経った今になって「別れたい」と言ってきた。
「なんで急に?」
聞いても、うつむいたままの彼女。
「今日勝って明日はディズニーランド行こうって話したじゃん?何があったんだよ?」
よくわからない感じではぐらかすので、問いただしてみた。
すると、どうやら友人にそそのかされた様子が見えてきた。
「パチスロ好きな旦那持つとロクなことないよ!依存症は治らないから別れた方がいい!」と言われたらしい。
それを聞いて凄く腹が立った。
なぜなら私はパチスロ依存症でもなければ、パチスロは趣味ではなく副業としてやっているから。
毎月コンスタントにプラス収支も出している。
もちろん運ではない。
期待値を追った、いわゆる正攻法である。
例えばある時の立ち回りを書いてみよう。
これで俺が依存症なのか勝ち組なのか、
そして俺が結婚相手に適してるかどうかわかってもらえるはず。
某県某日
仕事終わりのハイエナ稼働。
一店舗目は良さげな台は無いので移動。
移動を面倒臭がって、妥協して打ったら負けだ。
すると、その努力が実って、二店舗目にてミリオンゴッド凱旋の900Gを発見する。
これがあっさりと天井まで到達。
80%ループゲッツ!!
やっぱ凱旋の天井狙いは熱い!
さあ80%ループの間に自力で乗せまくるぜ!!
なんとか黄7の5連するも、
いまいち乗らない展開。
「SGGかGストップ辺り来い…!!」
しかし、願い虚しく淡々とゲーム数は過ぎていく。
そして目に見えるストックは無くなった・・・
凱旋はこれが堪らない!!
ループストックさいこー!!
そして順調に進み5000枚を超え、
・・・と言った感じ。
どうだろうか。
これでも俺が依存症だと思えるだろうか。
まあ確かにこの日は出来すぎだが、
こんな感じで実際収支はプラスだし、
パチスロ三昧ってわけもなく、彼女との時間も作っている。
パチスロで勝った金で一緒に旅行に行ったりもしている。
もちろん家の事だってしっかりやっている。
それなのに、それなのに、
その友人のクソみたいな発言!!
偏見すぎるだろ!!
パチスロは悪じゃない!!
確かにイメージが悪いのはわかるが、
そのイメージを作ったのは人だ。
ってことは、真の悪はパチスロを打つ人にあるはず!!
さらに腹立つのは、そんな戯言にそそのかされた彼女だ。
この1年、俺のどこを見ていたのか?
俺がお前をおざなりにしていたか?
俺が金に困っていたか?
一応、多くはないが給料は全国平均より上だし、貯金も三桁ある。
それに言ってないが、結婚式や指輪のことだって考えてる。
それなのに・・・そんな戯言でグラつくなんて・・・!!
俺はブチギレて、上で書いたことを言い捨てて家を飛び出した。
怒りが収まらないままホールへ。
しかし、立ち回りは冷静に。期待値を追いかける。
どうやら取材イベントが開催されてる模様。
ミリオンゴッド凱旋の300Gが空きそうなのを察知した。
サラリーマン風の男が打っている。
「あいつ…やめるな…」
いかにも時間無さそうな様子なのはもちろん、
ポイントは体が半身で千円ずつ入れている所。
100%ではないが、高確率でもうすぐやめる状況だ。
さすがにリセットはされてると思うから、この台に狙いを定める。
後ろでベガ立ちはさすがにできないから、
やめたタイミングで近くにいられるよう、スピードと歩幅を調整して通路を往復する。
・・・すると、
よく見れば同じ思考を持ったハンターがワンサカいた(笑)
いつもなら、こんなゲームには参加しないのだが、
如何せん俺は怒りに狂っていたので思いきって参戦!
すると、
案の定、台が空いた!!
そして・・・