1993年10月
甘デジという言葉が出る10年以上前の話。
長い夏休みも終わり、
学校があって、そうそう朝からパチンコ屋に行けなくなった。
そうなったらなったで僕は、学校帰りに打つ事が増えた。
パチンコ権利物、特に3回権利物に手を出し始めていた。
権利物というのは、その名のとおり「権利」というものが存在する。
まず、画面上で3つの数字等が揃って初めて、大当たりの権利が発生する。
すると、盤面下(機種によって場所は様々)にあるアタッカーが開くので、
そこに玉を入れることで、大当たり獲得となる。
ちなみに、そのアタッカーに玉が入らなかった場合は大当たり権利は消滅してしまう。
それはいわゆる「パンク」と言われた。
機種よりパンク救済処置も存在したが、
なんにせよパンクさせないように留意する必要があった。
まあ、よっぽどのことが無い限り、普通に打っていればパンクはしなかったけどね。
そうです。
そのよっぽどのことが起きたのが、今回のお話。
その頃によく打っていた「カーニバル」という3回権利モノの機種。
【大当たり確率】
300分の1(2回、3回目の権利獲得までは約30分の1)
【特徴】
3回権利であり、
1回の大当たりで獲得できるのは約2000発。
3回併せて6000発。
現行機種に例えると、
3回ワンセットの確変機のようなもの。
ただし、電サポは無いので、
2回、3回の権利獲得までに1/30でハマると、大幅に出玉を減らす可能性もあり。
この機種、ノーマルリーチでは絶対に大当たりせず、
大当たりには必ずロングリーチとなるのだが、
ロングに発展すると、大当たりかその前後図柄でしか止まらない為、
大当たり図柄を通過する寸前、
多くの打ち手がドツきまくっていた記憶がある。
当時としては、大当たり確率も甘くなく、投資がかさむ台と思っていたが、
一度大当たりすれば6000発
2.5円交換で15000円に化ける、
夢のある台でしたね。
今は等価の甘デジに必死になっている。
それはそれで悪くないのですけどね。
また、今の機種でいうとミドルクラスの確率ながら、
安定した出玉があることを考えれば、非常に甘い機械だったと思います。
さて、本題に戻りますが、
権利物という特性上、
数字揃い後のアタッカーへの入賞が必須となるのは前述のとおりですが、
まれに、よく分かっていない人がパンクさせてしまうわけですよ。
今みたいに、親切丁寧な遊戯ガイドがあるわけでもないし、
初心者が手を出すには少しハードルの高い台だったと思います。
そして、そんなハードルの高い台に手を出した初心者がここにも・・・。
あ、僕じゃないですよ。
その当時は情報は少ないながらも、雑誌もありましたし、
友人からも教えてもらってましたので。
じゃあ、初心者は誰なのか?
それは、隣に座った綺麗系なお姉さんでした。
その日、学校帰りに買い物がてら街中のパチンコ屋に繰り出していた僕。
ガラガラの店内で、カーニバルの島もガラガラ。
せめて買い物に使った分だけでも回収しようと、遊戯を開始。
しばらくすると、綺麗なお姉さんが左隣に着席。
「他にもたくさん空いてるんだから、なぜ隣に?」
そんな風に思いながらも、
綺麗なお姉さんだし、まあいっかってな感じで自分の台に集中。
するとロングリーチが、隣のお姉さんに。
そして、それが揃う。
が、よく見るとお姉さんはハンドルから手を放したまま・・・。
(ヤバい! パンクするぞ!)
そう思った僕は、瞬間的に左手でお姉さんの台のハンドルを握る。
も、時既に遅し・・・。
「これはね、数字揃ったらまずここに玉を入れなあかんねん。」
と、ぶっきらぼうに教える。
この台にパンク救済があったのかどうかわからないが、
そのままお姉さんは打ち出しを再開し、またすぐに数字が揃う。
なぜかいきなり右打ちしようとハンドルをひねるもんだから、
お姉さんの手に自分の手を重ねる形でストロークを調整して、無事権利獲得。
そんなお礼を言われたが、
照れてしまった僕は、ぶっきらぼうに
「別に。」
としか答えられなかった。
その後、無事に3回の権利を消化したが、
お姉さんはその後の処理もわからなかったらしく、
僕がジェットカウンターまで運び、景品交換までサポート。
そこで、改めてお姉さんの顔を見たのだが、
これがかなりの綺麗系!
年は少し上なのかな?って感じ。
僕はさらに照れくさくなって、
「じゃあ」と言って、自分の台に戻る。
しばらくすると、お姉さんが隣に着席。
でも、打ち出す様子はない。
怪訝に思ってふと、顔を向けると、お姉さんはにっこり笑ってこう言った。
「さっきはありがとう。
お礼に飲みに行かへん?」
失恋から数か月、
こんなところに出会いが!?
さて、居酒屋であっという間に意気投合した二人は、
いつの間にか終電の時間を逃し…。
美味しくいただいて、いただかれました…。
(-。-)y-゜゜゜
その後、お付き合いには至ったんですけど、社会人と学生。
また、逆ナンするようなコとモテモテオサレ男子。
まあ、長続きせず、冬が終わるころにはサヨナラでしたね。
・・・・。
ほら(笑)
だから誰得って言ったじゃないですか…
では、本編です。
完全なパチンコの犯罪です。
(違法賭博罪に120%該当)
この甘デジが無い時代には、現金機という近いスペックが存在した。
プリペイドカードを使わずに500円玉を使う。
羽根モノ等はこのタイプが多かった。
CRになっても、いわゆる確変が認められないので、初当たりも1/100の機種が多かった。
時短で連チャンを狙いにいくスペック。
とはいえ1/200の現金機も存在し、かなりの出玉を演出出来た機種もあり
当時のパチンカーを魅了した時代もあった。
今でこそ甘デジ全盛となり、この現金機は姿を消したが、羽根モノは以前として残っている。
根強いパチンコファンが支えているのは間違いないが、この火を消さないでほしい。
普通機も見なくなった今の時代に、羽根モノがアナログ最後の砦だろう。
どんな熱い演出が来ても、当たりか外れかは決まっている。
が、しかし。
羽根モノのおしいは本当におしいのだ。
玉の動きで一喜一憂できるアナログな楽しみをどうか今後も継続してほしい。
パチンコメーカーさんはがんばって!!
応援しております。