ハンドルネームは:【4番花形】

予選B2話
HN:4番花形さん





三振orホームラン


〜全打席ホームラン狙いの男〜


なんでこんなことになったのだろうか……


約8000発の出玉と、計5枚目の1万円札を失い、虚ろな目で財布に手を伸ばす。




オレは花形。


生粋の4番バッターだ。


オレにはこのポジションを狙う多くのライバルがいる。


古くは山田太郎、新田君から最近だとギブソンJr.、哲さんと言ったところか。


4番バッター達が次々と生まれる中、こんな奴がいた。




「3三振、2ホーマー。ホームラン率4割」




ザ・4番。


さすがヒーロー。


全打席ホームラン狙いはこの日だけだったようだが、その理由はなんと……




彼女の誕生日だから!




しかもその彼女は才色兼備で非の打ち所がないというのだから腹がたつ!


オレの女なんて……


オレのあきこなんて……


弟がくそ生意気で逃亡癖がある上に、親父がアル中の暴力親父なんだぞ!!


そのくせ、最近は親子二人してゴーリキとかいう娘にハマってやがる。


ふざけやがって!


どうせ肩幅広くて「しばいたれ!」が口ぐせのゴツイ女なんだろ?





花形






カワイイじゃねえか……


あきこの所に帰る気が失せたオレは朝まで飲み明かし、そのままここに座っていた。


『ヤッターマン』


もちろんMAXタイプだ。




「説明しよう。

この機種のMAXスペックは確変77%でヘソからの出玉が500発のみ、

電チューからの確変の72%が2000発という、爆裂の可能性を秘めた台である」




今さら確認することもないと思うが念のためだ。


座った台を選んだのは適当だった。


シマの中央に並んでいるため、角台がなかったからだ。




『出玉で通路狭くなっちゃうよ!

ゴメンね!!』




心の中で先に謝っておきつつ回し始める。


昨晩の酒と寝不足で意識がもうろうとしていた……ことすら覚えてない。


3、4人ほどのヤッターマンのシマで一番に当たった気がする。


6連したみたいなので、ハイパードロンチャンスも入っていたんだろう。


そこそこの出玉を得ていたのだが、もちろん続行。


ホームランにはまだ遠いから。


なにより、2台空けて左隣の台がオレにちょっと遅れて当たったあと、出玉に囲まれていたからだ。


瞬く間に20箱ほど積まれている。


ホームランは間違いなかった。


勝手にタチバナとあだ名をつける。


タチバナのあの連チャンをみて、ムキになった。


6連後すぐに引いた単発当たりに我を忘れた。


そうして6枚目の1万円札を投入するに至っていた。


タチバナはもういない。


連チャン即ヤメ。


病院にでも行ったに違いない。


ホームランを打ったその腕が折れていたに違いない。


かつて義弟のアホ魔球を打つためだけに全身がボロボロになったオレとは大違いだ。


くっ……


ここで引き下げれるかっ!


それにしても当たらない。


リーチが発展してもモグラやアンコウばかり。


勝てる気がしない。


確か初当たり2回はどちらもヤッターキングだったな。




ヤッターキングvsドロンメカ




やはりこれが来ないと話にならないか。


だがしかし、あの演出は嫌いだ。


あの戦闘シーンの演出はどう見てもアレだから。


宇宙世紀のヤツ。


だから連想してしまうのだ。


『ぶったね!親父にもぶたれたことないのに!』


いや、お前親父にいつも殴られてるだろ!


ツッコミと共に、大嫌いな義弟が浮かんできてしまうのだ。


ああ……


あきこの顔も浮かんできて、より憂鬱になる。


無断外泊の上、三振して帰るわけにはいかない。


?!


ふいにあきこの視線を感じた。


影から見守るのが得意な女。


気づけばいつもそこにいる。


恐る恐る台から目を放し、通路に向けるとそこには……




あきこ!!





あこ






負けられない!


負けたら明日が、※命が無い!!


そしてついに……




ヤッターキング登場!




現在総投資6万円、回転数1100とちょっと。


ここで打たなければ!


『オレの体をみんなにかすぞ!』


6人の諭吉の魂が次々とオレの右手に乗り移る……


『命は……、命は力なんだ!』


渾身のボタンプッシュでジオングもどきを撃破!!


ここは確変だったようで、おしおきチャレンジから余裕のハイパードロンボーナス!


あきこのおしおきに比べたらドクロベーのおしおきなんざ屁みたいなもんだからな!!


ここから順調に敵メカを倒していくも、7連目にて、4Rを引いてしまう。


4Rは確変が5%で通常が23%


比率でいうと82%は通常。


期待しないで携帯をポチポチ。


くそがっ!!


セグ情報出とらんぜ!




MAXの名が泣くぞ!




まあ、打てば分かる。


オレはフルスイングするだけだ。


すると、こうなった。





データ






あれから更に4Rが3回続いた。


つまり4Rが4連してからハイパードロンチャンスに復帰。


見ての通り、初当たりの分を含めて4Rの内訳が5回となっている。


完全に思考が迷路に迷いこんだ。


どれかが4R確変だったのか、引き戻しで4R通常を引いたのか。


まあいい。


結果がすべて。




30000発オーバー。




およそ20000発ほどのプラス!


さて、帰ろうか。


コールボタンを押して辺りを見渡すと、寂しそうなあきこの姿が目に入る。


『タチバナに負けちゃうの?』


そんな声が聞こえてくる。


タチバナと言えば、あいつの彼女、ひかりちゃんもこんなことを言っていた。




『ほとんどの人は手前に線を引いてるんだから。

本当の自分の限界よりも……

その一歩先の自分の可能性に気づかないまま』




「なんでもないです」


店員を追い返し、再びハンドルを握りしめた。


オレの限界はまだ先だ!


ホームラン打たないで帰れるかよ!!


これがオレの限界だーーーーっ!





出玉






レシート






逆転ホームラン達成!


見たかタチバナ!


オレは花形。


HANAGATA=Hだ!




HEROの座も、4番の座も明け渡しはしないんだよ!!




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