予選C─3話
HN:ワカメさん
【過去と1人目の師匠とパチンコ】
僕には「今」に興味がない。
なんせ今はただの社畜。
なんのために生きているのかわからない。
強いて言えば、働くために生きている。
だから「今」に興味がない。
だから常に「昔」のことを思い出して生活している。
そんな僕に、一気に20万円を手にするチャンスができた。
それでも僕は「今」には興味がない。
たかだか20万。
興味なんてない。
なんてカッコイイこと言えやしない。
僕は金の亡者、守銭奴。
たとえ肥え溜めに1円が落ちていようと、
まるでそこに1万円が落ちていたかの如く、高速で拾い上げるようなやつだ。
そんなやつに20万円獲得できるチャンスがあるのなら参加するしかない。
こうなったら僕には「今」しか興味がない。
だから「今」起きてることをおもしろく伝え、なんとかして賞金を手に入れたいが、
僕は「昔」の出来事を思い出すことしかできない。
そんなことで優勝できるとは思えないが、
この世界はパチンコ同様に確率の世界。
どんなにつまらないことを書いても、1人だけが僕に投票してくれて、
その他の人が誰にも投票しなければ勝てるわけだ。
それが起こる確率も天文学的数字だが一応あるわけだ。
ならそれに賭けよう。
いざとなれば、知人に頼みこみ、多少の賄賂で票数を大量に獲得すればいいのだから。
ふふ。
ちなみに、「今」「昔」といったように、
まるで今後の日記に関係するようなキーワードであるように思うかもしれないが、
特に意味はない。
おもしろいかと思ってつけてみたが、
おもしろくもない。
ただのウン子。
ただの芋。
こんなところで前置きは終えて、そろそろ僕がパチンコにおいて、
それなりな立ち回りをできるようになったきっかけについて思い出してみようか。
そう、僕はあの時・・・
・・・
4人の仲間で大富豪をしてかわいく遊んでいた。
一応金は賭けていたが、せいぜい数千円しか動かなかった。
そこで1人の男が1600円負けた時に
「きも。パチンコで稼いでこよ。」
と言った。
「ばかか。パチ屋は営業が成り立ってんだから負けるに決まってんだろ。」
僕はそう言った。
それから数時間後、
その男は1パチで2000円勝ってきた。
大富豪の勝利分の金をもらうと同時に、僕はその男のことを師匠と呼んでいた。
パチンコについて教えてくれ。
僕も簡単に金が欲しいんだ。
守銭奴な僕は頼み慣れているから土下座なんて簡単だ。
土下座して頭ペコペコ下げて、ゴマがペースト状になるまですりまくった。
そんな僕を見た師匠は潔くオーケーしてくれ、パチ屋に直行した。
なにを打てばいいかわからず彷徨っていると、
「新台:キン肉マン」
凄まじくインパクトがあった。
台は満席で全ての台が吹いていた。
おそらくいっぱい勝ってるんだろう。
師匠に
「あいつらいくらぐらい勝ってんの?」
と聞くと
「わかんねーけど、五万は越えとるら。」
その時の衝撃は未だ忘れたことはない。
台が空くのを待っていると、師匠は俺に
「演出の間は玉打っても意味ねーから手離しん」
そう秘策を伝え、どこかに姿を消した。
数分待っていると、1人のコワモテが立ち上がり、席をはずしたようだ。
僕はその席に座り、
若干上に玉が残ってる台を見て、
(きっとたくさん勝ったから次の人のために玉を残してくれたんだ)
そう思い、玉を打ち出してみた。
数発打ったところでいきなり髪を思いっきり引っ張られた。
僕はなにも悪いことをしてないのに、なんでいきなりこんな目に遭遇するのだ。
パチ屋はおそろしい。
髪を引っ張られたまま追い打ちをかけるように
「テメェ人の玉打ち込んでなに様のつもりじゃ?」
と言われた。
そう、なんと僕が悪かったようだ。
置いてあった玉は、実はさっきの人の玉だったのだ。
僕は申し訳なく思った。
ただひたすら謝った。
そしたら謝罪が通じたのか、
「おう、あの席空くぞ。」
とコワモテが教えてくれた。
さっき悪いことをしたばっかりの俺にここまで優しくしてくれるのか。
ぺこっとお辞儀をしてその席に座った。
そして師匠に言われた通り、演出がきたらハンドルから手をはなす。
これを守って打ち続けた。
しばらくして肉役物が赤色に光り輝き、
キン肉マンが走っているモードに突入した。
後にこれが確変であることを知ることになるが、
それはまだ先のことであった。
やがて数字が揃い、キン肉マンが敵と戦うことに。
今回の演出はやたらと長い。
なかなか動かない。
この間、師匠の指示通りハンドルから手を離したまま演出を見守り、
キン肉マンが勝利した。
その後、再びキン肉マンが走るモードになった。
パチンコっていつ玉増えるんだ?
この疑問を解決できぬまま、次のバトルでも勝利。
疑問を抱えたまま打つのも嫌な俺は、師匠のもとに向かった。
事情を説明すると師匠は、
「は?そんときは玉打たんと玉増えんわ。それくらい知っとれや。」
それを知らないから教えてもらいにきたのに、
この師匠は無茶苦茶すぎる。
連チャンは続き、なんとか
投資5000円
回収21000円
上の結果となり見事に勝った。
そして気づいた時には毎日パチ屋にいた。
それからは負けないように必死に台を選んだ。
どんな台を打てばいいのか調べるために、
コンビニにあるパチンコ雑誌を買いあさり、
「600回転ぐらいの台がオススメ」
「演出が頻繁にくる台が好調台」
「テリーマン、ウォーズマンステージに頻繁にいくとよい」
などといった知識を家で必死に暗記した。
それらの知識をフル活用してパチンコを打ち続けた。
いつもと違うホールに行くと、データランプがいつもと違う形式のものもあり、
その際は店員に、
「このデータってどういう風に見ればいいのですか?」
と聞き、教えてもらったこともあった。
そのようにして少しづつパチンコの知識を身につけて僕は成長していった。
いつものホールではキン肉マンステージの台はなかなか落ちてなかったが、
テリーマンやウォーズマンステージの台はちょくちょく見かけ、
それを見つけては喜んで打っていた。
テリーマンステージを抜けても打ち続け、
初めて投資が10000円を超えたときもあった。
その時後ろから師匠が現れ、
「いくら使った?」
と聞かれたので
「10000円です」
と答えた。
すると続けて師匠は
「は?なんでそんな打ってんの?そんな台もう当たらんくね?
それよりこっちのハマり台のほうがよさそうじゃん」
と言った。
なるほど、パチンコはハマり台がいいのか。
師匠の発言ひとつひとつが勉強となる。
身近にパチンコの師匠がいてよかった。
それからも師匠とパチンコを打ち続け、
トータル収支は100000円負けを越えていた。
しっかりとした台を打っているのにだ。
それでも僕はキン肉マンを打ち続けた。
数日後、
毎日負けながらもキン肉マンを打っていると師匠が、
「新台で花の慶次てやつがオススメらしいぞ」
と情報をくれた。
僕は
「花の刑事ですか?そんなん興味ないっす。」
と返答した。
師匠は
「ふーん。みんな吹いてるでいってくるわ。」
と言い残し、姿を消した。
1時間ちょっと経つと師匠が帰還し、
「あの台簡単に吹いた。たぶんしばらく吹くわ。
明日からは慶次だな。」
と教えてくれ、
とりあえずどのような台なのかを見に行ってみた。
(あ、刑事じゃなくて慶次なんだ)
と知ると同時に、ドル箱の数に圧倒された。
なるほど、師匠が簡単に吹くと言っただけはある。
これは明日朝から打つしかない。
しかし何時から並べばいいのだろう。
師匠と考えた結果、
6時となった。
おそらくみんなボロ勝ちしているのだから、それぐらい並ぶ必要がある
と師匠が考えたのだ。
そして次の日、6時にホールにいくと
いかにもヤンキーでした、みたいなオッサンが1人並んでいた。
そのオッサンが意外にもいろいろと話しかけてくれ、
どの台が吹くか、についても教えてくれた。
僕はパチンコで勝ちたかったため、真剣に話を聞いた。
そしてパチンコについて、少し気になっていたことがあったので聞いてみた。
「パチンコって設定ってあるんですか?」
と。
オッサンは即答で
「あるよ。設定は3段階あるからデータと台の調子から読まんといかん。」
こう言い放ったのだ。
それからもオッサンとのパチンコトークは続き、
僕はいつのまにかこの方を師匠と呼んでいた。
・・・
話を続けると長くなるから続きはまたにしようか。
次回、
過去と2人目の師匠とパチンコ
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