ハンドルネームは:【ナナイロ】

準決勝C─1話
HN:ナナイロさん
【100連チャンの契約】





3年前に付き合っていた彼女というのが大変わがままで、


「CMで見たバナナで釘を打つアレが見たい。」


とのたまうので、


大学の研究室の保管庫から『液体窒素』を持ち出し、


カッチカチになったバナナで実演してやったところ、




バナナ




カッチカチのバナナに彼女は大変喜んでくれたまでは良かったのだが、


後日、それがバレ、自分の就職内定は取り消され、翌年以降も学生を続けるハメとなった。


そしてそのこと(内定取消)が原因でその彼女とは別れることになる。


以来、自分に彼女はいない。



ところが先週、突然、バナナがカッチカチになるような色めいた話が湧き上がった。





―――――――――――


今の自分のアルバイト先は高原にある兼業農家なのだが、そこのオーナーには3人の娘さんがいる。


ラオウのようにゴツくて黒いオーナーに似ず、3人とも色白でそれなりの美人である。


「娘たちには絶対手を出すなよ。」


と雇われ時にオーナーからはキツ〜く言われていたので、恐くてそんな気にはなれなかった。


一番下の末っ子は「ヒカルちゃん」というのだが、


彼女が中学3年生のときに高校受験の家庭教師のようなことをさせられた。


ヒカルちゃんは無事地元の高校に合格し、オーナーには感謝され自分もひと安心だったのだが、


思わぬ事態になった。


期間バイトなので東京に戻る直前にヒカルちゃんから


「付き合って欲しい。」


と告られた。




もちろん、断った。


当時、自分には彼女もいた、ましてや相手は自分より8つも年下の中学生、全く恋愛対象にはならない。


何といって断ったか思い出せないが、傷つけないよう、やんわりと断ったはずだ。


で、その後、地元の高校に進学したヒカルちゃんだが、


翌年会ったときには髪もキンキラキンのヤンキー風に姿を変えていた。都会で言えばギャル風とでも言おうか。


自分とは顔をあわせても口もきいてくれず、そことなく避けられているようだ。


かつては「ナナ先生」と妹のように懐かれていたのに。


えらい嫌われてしまったものだとこの3年、ずっと寂しく思っていた。




ところが。


そのヒカルちゃんに先週突然ファミレスに呼び出された。


暫く近くに寄ったこと無かったが、


制服姿のJKは眩しすぎた。


高3になったヒカルちゃんは身長も伸びて


綺麗に、


大きく成長していた・・・


あっちもこっちも


と正直な感想なのだが、


そんなことは冗談でも言えない。


黒王号のようなオーナーの顔が頭をよぎる。




「ナナ先生、私、地元の短大に内定決まったんです。」


突然の呼び出しに戸惑っていたが、それを聞き、ああそうかと合点、


やあ、それはおめでとう、とお祝いを言うと


続けてヒカルちゃんから思わぬ言葉が飛び出した。


「なので約束どおり付き合って下さい。」


えっ!?


なんでそうなる!?





・・・どうやら自分では3年前に適当なことを言って断ったつもりだったが、彼女的には断られたとは思っていなかったようだ。


よくよく聞いてみると、


「もっと大人になって、例えば大学生くらいだったらなあ。」


みたいなことを言ってその場をしのいだようだが。


うーん、記憶が定かでないがそんなだったかもしれない。


いよいよもって、回答に窮し、


「来年大学生になるなら、髪とか落ち着いた雰囲気にしないとねぇ。」


などと適当に言葉を濁し、とりあえず数日時間をもらうことにした。





―――――――――――――


同居人にセキ氏という変人がいるのだが、夕べから帰ってこない。


最近は風俗狂いで休日前はいつもだ。


悩みつつも、休日だったのでいつものようにパチンコ打ちに行くことにした。


セキ氏は戻ってきていないが、おばあちゃん(オーナーの母)から軽トラのキーを貸りているので問題ない。


その軽トラを駆って麓のホールへ向かう。




途中、


『一度も赤信号に引っかからなかったら願いが叶う』


みたいな子供のころに自転車でやった占いのようなことを何度かやってみた。


すべて簡単に赤信号にひっかかった。


そこからナイスアイディアを思いついた。


『今日パチンコで100連チャン出来たらヒカルちゃんと付き合おう。出来なかったらハッキリ断る。』


そういうことにした。


そう神に誓った。


パチンコの神に。


もし100連チャン達成できたらそれこそ『運命の人』だ。


が、その可能性は限りなく低く、


断る理由、後押しをパチンコに委ねるようなもので、最初から逃げている罪悪感はある。


少なくとも100連チャンする可能性のあるパチンコ機種を打たないと、ヒカルちゃんにもパチンコの神にも申し訳ない。


しかし、そもそもそんな機種、このホールにあるのか?


100連チャンといったら継続率80%くらいでは相当難しい。


初当りが軽く、消化が早く、継続率が高い。


そんな機種、あるのか!?






あった。


まるでこの日のために設置されたかのよう。




【CRバーストエンジェルインフィニティ99】

大当確率1/99.9→1/10

確変継続率91%(次回まで)

大当全て出玉あり
(4R:80玉、13R:330玉)




前作の初代はひねり打ち攻略で有名な『奇跡の電役キャプテンロバート』を継承した一般電役機だった。


ロバートほどではないが、一度当りを引けばどこまで連チャンするのだろうと思わせる破格の継続率を誇った豊丸の名機。


今作は普通のCRデジパチになってしまったが、その特徴的な継続率は91%と健在。


この機種なら100連チャンしても不思議ではないはずだ。




【10:00】


開店と同時に打ち出す。


ヘソはほぼ平行、最初の1,000円で15回。


導入からだいぶ経ち、出玉関係の釘もえらいことになっている。


いつもの稼動なら絶対打たない。


しかし、今回に限っては個人的な収支は関係ない。


「100連チャン出きるか出来ないか」


ただ、それだけだ。




開始、30回転、

【予告】
・プールサイド背景
・スベリ擬似x2
・エイミー赤服


から、エイミーリーチへ発展、


限界コンボでボタン連打するも、

ハズレ。


とりあえず当たらないと100連は出来ない。




86回転目、


3つ目の保留点滅、当該回転の直前高速点滅へ移行。


【予告】
・スベリ擬似x3
・図柄全消灯
・シューティングチャンス


から、限界バトルへ発展、


ジャンゴ発進時、『フェイス役モノ』は閉じず


相手は危険度2個の『東京ゴースト』で気になるジャンゴの塗装は、


赤。


3ターン待たずに2ターン目で余裕のWIN。


オッパイがブルルン、セイ図柄111が揃う。



バーストエンジェルの連チャン中演出は先読み予告メインになる。


保留点滅からなら恐らく確変大当で継続確定。


それとキャラの「チャンス」ボイス連続からの当りも継続確定。


保留2個以上からの偶数図柄リーチは通常当りのピンチ。


さて最初の連チャレンジは




12連




1回目:12連チャンで終了。


「ま、こんなもんだよなあ。」


などとひとりごちていると、すぐに2度目のチャンスが訪れる。




21回転目、


2つ目の保留が点滅、


【予告】
・プールサイド背景
・擬似x3


から、メグリーチへ発展、

限界コンボでボタン連打。

リボルバーV停止で当る!!


これが、




1連


た、単発だと!?


ははは、こんな薄いとこ引けるんだ。100連くらいいけるだろう。


などと強がってみた。


100連は、やはり難しい。


その後も、


3回目:102回転 6連チャン

4回目:85回転 8連チャン

5回目:152回転 5連チャン


午前中、5回の初当りを引いたが、最高連チャン数は最初の12連で思うように伸びない。




【12:00】


稼働時間はまだまだあるが、時間がもったいないので昼飯休憩無しで回していくことにした。


6回目:15回転 3連チャン

7回目:30回転 21連チャン

8回目:252回転 5連チャン

9回目:88回転 9連チャン

10回目:70回転 2連チャン

11回目:14回転 4連チャン

12回目:3回転 11連チャン

13回目:41回転 単発




【17:00】


本日二度目の痛恨の単発を引いたところで、


集中力が切れた。


一旦席を外す。


そして財布の中が相当ヤバイことになっている。


ここまでの最高連チャン数は21。


思ったよりも早くない連チャンの消化時間を考慮すれば、20時が100連チャン出きる限界と判断した。


14回目:214回転 7連チャン

15回目:113回転 10連チャン

16回目:56回転 3連チャン




【19:30】


次で引けなければ100連チャン達成はほぼ不可能だろう。


半ば諦めも入っていたが、ホッとしたというよりはなんとなくガッカリしている自分に気付く。


アレレ?自分は惜しいと思っているのか?


などと自嘲しながらも最後のチャンスを目指し、打ち込んでいく。




そして98回転目、


【予告】
・プールサイド背景
・スベリ擬似x3
・鷹音激熱


から、ムービー『激突二人の天使』へ発展、


ジョウがマリオを殴り倒し、


セーラー服の鷹音図柄666が揃う。


おふうううぅぅぅ。。。


大きく、深呼吸する。


これが、ラスト。


ヒカル。



連チャンが始まる。


10連チャンクリア。


20連チャンクリア。


25連チャン、30連チャン、35連チャン・・・


とうとう40連チャンをクリアした。


キタ。




「これは、終わる気がしない。」




そういう予感。


大連チャンするときの必須条件。


いける。いける。


記録的な連チャン。


進む。45連クリア。


そして


そして



50連クリア!!!


目標の半分を一気にクリア!!!


大事なことなので心の言葉をもう一度言おう。




「終わる気がしない。」




55連、クリア。


56連、57連、58連、


そして59連目、試練がキタ。


保留満タン状態でレオ図柄の2でリーチ。


このカタチになると確率変動を引いていることを祈るしかない。


ジャンゴ先制失敗


画像全員集合失敗



ジャンゴ倒れる。


ラストチャンスも不発。


さすがに諦めたそのとき、


「ふざけんじゃねー!!」

だったか

「やってくれるじゃねーか!!」


だったかは忘れた。




ジョウ




60連確定の復活逆転勝利!!!


やはりキテいる。


残りは40!!!


パチンコの神よ!!!


このままいかせてくれ!!!


突き抜けろ、限界LOVERS!!!








60連



ピンチのあとに大ピンチ到来でヒカルちゃんへの100連チャレンジは、


幕を閉じた。


これが運命か。


スマン、


ヒカルちゃん。




――――――――――――――


あー憂鬱だ。


憂鬱だが、仕方が無い。。


パチンコの神との契約なのだ。



後日、約束の時間にファミレスへ行った。


断る勇気。


彼女を傷つけるかもしれない覚悟。


考えても仕方が無い。


駐車場に軽トラを止めて、ドアを開ける。


彼女の待つ席へ歩を進める。


席に近づくと、


そこには、


いままでとだいぶん雰囲気が違う


黒髪の清楚なヒカルちゃんが居た。


自惚れかもしれないが自分のために髪黒くしたんだろうか?


ハッとする自分の仕草を不思議そうに見つめる彼女。


ゴクリ。


出きるだけ彼女を傷つけたくない。


だけど残酷に、意を決する自分・・・。


そして、


自分は、


両手を伏し、


テーブルに頭を付け、


ついに彼女に、


決断の一言を言ってやった。












「ふつつかものですが、よろしくお願いします。」





スマン、パチンコの神よ。


契約は無かったことにしてくれ。


8歳年下のメチャカワイイ彼女が出来た。





彼女は来年の3月まで制服が似合う現役JK=女子高生だ。


バナナはカッチカチだ。


ボヤッキーセキ氏には、内緒だ。





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