信じるか信じないかは自由ですが、
これから話すことは、全てノンフィクションです。
全ては僕の実体験───
5月24日。
僕達は見てはならないモノを見てしまった。
この日、僕を含めた友人5人は、夜の道をアテもなく車を走らせていた。
天気は晴れており、月明かりがあった。
ただ、次の日が雨になると予報があり、雲行きは次第に怪しい雰囲気に。
少し前までは気にもかけていなかったが、
30分ほど走った辺りから、少し空気が重たくなった気がした。
「明日は雨かぁ。雨って嫌やなぁ」
助手席に座っていたBが言った。
みんなも「そうやなぁ」と返しながら、たわいもない会話をしていた。
すると、急に運転していたAの携帯が鳴りだした。
時間は24時を少し越えたあたりだった。
「こんな時間に誰やろ?」
Aがそう言いながら携帯を見る。
090-○○○○-△△△△
発信先は見慣れない番号だった。
Aはどちらかと言うと気の弱い方で、知らない番号からの電話は取らないようにしているらしい。
車内には小さめの音量のラジオが流れ、携帯からは少し前に流行った歌が流れ続ける。
なかなか切れない電話だったが、ようやく鳴り止んだ。
「今の長かったな?知り合いかな?」
Aがそう言い終わると同時に
電話がまた鳴りだした。
そして今回もなかなか切れなかったが、やがて切れた。
Aは頑なに取らなかったが、
3回目が掛かってきて痺れを切らしたのか、車を道路脇に止めて電話に出た。