するとNも同じように叫びだした。
途端にNが悲鳴をあげる。
「うわああああああ!!!」
その悲鳴を聞いて、
俺は思わず目を開けてしまった。
するとそこにはいたのは、
黒い服を着た、髪の濡れた女だった。
その女はNをじっと見ている。
Nは助けを求めた時に目を開けてしまったのだ。
Nは怖さで固まっている。
すると、女がこちらに少しずつ頭を傾けてきた。
俺は思わず目を閉じ頭を下げる。
すると、
「アァァ……アァ……」
かすれたような声が聞こえる。
(早く誰か起きろよ!!)
と思いながら目を必死に瞑る。
Nはどうなっているんだろ。
気になるが、怖くて目を開けられない。
もう怖さが限界になってきた俺は、ある方法を取ることにした。
それは、
目を閉じながら下まで走る事。
これなら見えないし大丈夫だろう。
階段までの道もだいたいわかってる。
後は、階段手前ぐらいに目を開ければ問題ない。
そう思った俺は走りだした。
目を閉じて走り出した。