ギシィ…ギシィ……
間違いない。
階段を上がってくる音だ。
N「お父さんか誰かかな?」
俺「でも歩くのめっちゃ遅ない?」
N「そやな…え?ほんまにオバケなんちゃうん…」
俺「え…ちょっ…どうするん!マジでヤバイやん!」
N「とりあえず寝たふりしよ!俺が合図するまで絶対起きるなよ!」
とりあえず寝たふりをした俺たちは、それがいなくなるまで待った。
ギシィ…ギシィ…
音が止まった。
トン…トン…トン…トン
どうやら二階に着き、今度はゆっくりだが歩いているようだった。
その足音は段々と大きくなり、
徐々に近づいてきているのがわかる。
それでも寝たふりを続ける俺たち。
トン…トン………
トン…トン………
トン…トン………
トン。
音が止んだ。
張り裂けそうなほど心臓がバクバクしている。
この間が異様に長く感じる。
(助けてください!助けてください!どっか行って下さい!お願いします!)
心の中で何度も何度も叫ぶ。
が、そこにいる何かはまだすぐそこにいる。
あまりの恐怖に我慢できなくなった俺は、目を閉じたまま叫んだ。
「誰か助けてー!!!!お父さん!!お母さん!!」