あれは何年前になるのかな。
たぶん小学生の高学年だったと思う。
昔はよく親戚と旅行に行ってたんだが、
その日は別荘みたいなところに泊まった。
周りには何もなく、自然に囲まれた所だった。
そこは、明るい内は景色も良いし、風も気持ちよい自然豊かな場所なんだが、
反面、夜になれば街灯など一切ない暗闇の世界になる。
ちなみに親戚の子供、つまり俺のいとこは長女、長男、次男の3人。
こっちは長女、俺、次女の3人。
次女はまだ小さかったので親と一緒だった。
子供5人は二階、
大人と次女は一階で寝ることになっていた。
昼間に遊び過ぎたのか、夜になると俺たちは疲れてすぐ寝てしまった。
どれくらい寝ただろうか。
「きゃあああああああ」
突然の叫び声で俺は目が覚めた。
聞こえてきたのは1階からだ。
何事かと思い、恐る恐る下に降りて見ると、
大人も次女も、何事もなく全員寝ていた。
気のせいか?
そう思い二階に上がり、再び眠りにつく。
「きゃあああああああ」
また悲鳴で目が覚める。
他の子供は起きる気配がないので、また一人でゆっくりと下に降りて見ると、
さっきと同じ。
何事もなく静かな寝息を立てて寝ている。
小学生だったこともあり、さすがに怖くなった俺は、
いとこの長男を起こした。
こいつとは同い年で仲もよかったので、何かあればすぐに話す仲だった。
ここで、この長男をNとする。
Nに悲鳴のことを話すと
「何かの聞き間違いやろ?
めっちゃ雨降ってるやん。
風の音とかの聞き間違いや」
そう言って、また寝に入ってしまった。