夏の暑さもどこへやら。
すっかりと過ごしやすい季節に移り変わり、
日常の衣服の選択を誤ると寒気すら感じるこの時期。
たまには散歩がてら…。
普段そんなことは思わないボクなのだが、
この日は何故かそう思い、
徒歩で片道20分ほどの道のりをダラダラと歩く。
近くでは運動会が催されているようで、
子供達の楽しげな声を聞くと懐かしい気分になる。
一生懸命頑張っている子供達の姿。
その姿を、一瞬たりとも逃すまいとカメラを構える家族。
微笑ましい光景だ。
だがボクにとっては1年の早さを改めて感じる時期である。
気がつけば今年もあと3ヶ月。
月日の経過は早い。
十数年前のモヤシは運動会に参加するような年齢で、
数年前は勉学に励んでいた。
そして今は、子供がいても何らおかしくない年齢になっている。
あの頃が懐かしい。
まだ可愛いかった幼少期。
かつて母親からは
「あの頃は本当に天使ように可愛いかった」
と言われた。
しかしこの少年。
ある時期からは、
「まだ目覚めぬか…邪眼の力…」
と、中2病を患い天使は去りけり。
そんな痛々しい少年も、気がつけば
「ヒリつき。これがボクの生きる道。」
と、完全に色々と末期である。
だが口先だけは達者のようで、久しぶりに会った家族に、
「あんた…今ではすっかりペテン師のようだねぇ…」
と、言われる始末。
圧倒的重傷である。
パチンコ屋よりも専門家の診察に行くべきだ。
そんな思い出を、
ただ歩いてパチンコ屋に向かっただけなのに思いだした秋の朝。