チュンチュン
チュンチュン
んー…
いい朝だ。
最終日の朝、
狂乱の貴公子の朝は早かった。
…嘘だ。
実際は何度も何度も目覚ましが鳴っていた。
時計を見て慌ててホテルを出る。
WINZに急げ…!
遊びに行くのに急げとは、まぁなんともマヌケだが、
それが川藤。
前に岡部と来たときに入ったプレミアム席?そこに座りたかった。
前はダービーだったからか、すぐに満席になっていた。
今回はそんなに重賞はないが、お盆だ。
山梨県民は狂ってるから、皆朝から並ぶだろう。
席が取れないと色々めんどくさい、絶対取りたかったのだ。
入場5分前位に到着した。
人は……全然並んでなかった。
一人で並び、
一人で席を選び、
一人で座る。
マジで言葉を発していない。
はい、いいえとか以外で
最後に発した声は…確か…
「…ロン、12000の三枚。」
麻雀で上がったのが最後だ。
あの12000で2着に上がったんだった。
麻雀は4半チャンやって、
1,2,4,2着だった。
下手くそ川藤としてはかなりの好成績、麻雀では勝った。
そうだ、私だって勝てるんだ…!
今日で全ての負債を取り戻そう。
そう気合いを入れてレース予想。
新潟の全レースを買います。
我がふるさと新潟、
きっと幸福を呼んでくれる事でしょう。
ニーガターッ!!
エイッ!エイッ!エイッ!エイッ!
エィヤァァァッ!!!
高校時代に新潟選抜に入っていた川藤、
伝統の掛け声を心で叫び、いざっ!
馬券購入!!!