今回は実践前に、お久しぶりの【業界話】を書いていきます。
パチンコパチスロ業界にリクの丞が滞在していた頃の話です、
中々貴重な体験だったと思うので良かったらお読み下さい。
【業界話】
リク
『あれから10年以上経つんだね‥』
そう、かなり前の思い出話になりますが、
リクがまだパチ業界に入社して1年、やっと新入社員から役職者へと成長した頃でした。
10年前のある日の事
リク
『‥であるから、今日も頑張っていきましょう』
役職者になって何回目の朝礼だろうか、いつもの日常勤務仕事なんだが、
いつまで経っても緊張する。
仕事の内容、本日の目標、店長からの伝達事項
特に難しい仕事ではないのだが、これらの内容をスタッフの皆んなに説明して、
なおかつ仕事に対する士気をあげなくちゃならない。
リク
『以上です、後‥今日から新しいスタッフが加わります』
今日の朝礼はいつもと違う、それと言うのも本日付けから働く新しい仲間を紹介するからだ。
玉尾(仮名)
『初めまして玉尾と言います、
周りからは玉ちゃんって呼ばれてます。
宜しくお願いします』
この新しいスタッフの彼女は、バツイチのシングルマザー
歳の方は30代前半だが、落ちついた雰囲気でハキハキと喋るタイプの女性だった。
スタッフ一同
『宜しくお願いします』
あー良かった、皆んなへの自己紹介‥最初の雰囲気は良かったみたいだ。
パチンコパチスロ業界に新しく入るスタッフ(アルバイト)の入れ替わりは、かなり激しい方だと思う。
一見、ただホールを歩き廻っているだけで、凄く楽な仕事に見えるかもしれないが、
当時のリクが働く店では、
箱の上げ下ろし
遊技台の清掃
灰皿周りの清掃
故障台の対応
お客様への対応
不審客の監視‥などなど
他にも沢山の仕事があり、決して楽な仕事では無いのは確かだ。
故に新人スタッフとして入った子が、1日で辞めたり1週間で来なくなったり、
そんなケースはザラにある。
当時は今の職場環境と違い、多少の職人気質がある感じの雰囲気だったので、
仕方が無い面もあると思うが‥
リク
『今回の子は大丈夫かな?』
仕事が続く子‥続けれる子と、残念ながらすぐに辞めて行く子は体感的に分かるようになってくる、
今回入って来た「玉ちゃん」は、続けれる子だとリクは感じた。
本当になんとなく‥なんとなくとしか言えないが、業界関係者の方なら分かってくれるはず。
リク
『では、今日もハリキっていきましょう』
その後、玉ちゃんに一通りの説明を終え、スタッフリーダーに後は任せた。
無事に1日の仕事が終わり、皆んなが帰る中‥玉ちゃんに声をかける、
リク
『仕事どうやった?』
玉ちゃん
『はい、凄く楽しいです。皆さんも親切に教えてくれます』
良かった!!
リクの心配を諭すかの様に、元気ないい返事を聞かせてくれた。
その後、
玉ちゃんは順調に仕事を覚え、三ヵ月を経つ頃にはカウンター業務のフォローなどを覚えるまでに成長。
リク
『本当に良い子が入って来てくれて良かった』
周りの評判も良かったし、同じスタッフからも文句は無い、
お客様達からも『あの娘はよく働く』
なんて嬉しい声まで聞こえて来た。
リク
『よし、新しいスタッフも増えた事で、自分の仕事に専念できるぞ』
玉ちゃんがスタッフとして増えたのは、リクにとっても大変助かる嬉しい事、
しかし‥そんな平和的な日常を壊す、
大変な出来事が起こる事となってしまった。
ある日の事、
いつものホール業務に精を出すリクの丞、そこに1人のスタッフが近寄ってきた。
スタッフ
『あの‥リクさん、相談があるんですが‥』
リク
『はい!?どうしたの?』
その出来事はとあるスタッフの相談事から始まった。
スタッフ
『休憩室に置いてあった私の鞄‥中に入っていた現金が無くなったんです。』
盗難事件発生!! 盗難事件発生!!
リク
『ど、どう言う事なの?』
そのスタッフから聞いた説明はこうだった。
仕事が終わったら家の支払いに行こうと、朝から銀行で11万円を卸して封筒に入れ、
鞄の中に入れておいた、その現金がさっき確認したら1万円になっており、
10万円が消えて無くなっている。
説明を聞いた内容はこうだった。
リク
『、、、、』
リク
『鞄はロッカーにしまっておいたの?』
スタッフ
『‥いえ、煙草などを取り出すのにメンドくさくて、そのまま休憩室の棚に置いていました。』
リク
『、、、、』
実はこの様なトラブルは大して珍しく無い出来事だ。
スタッフの休憩室と言うのは、その日働いている全ての従業員が利用する事ができ、
店長、役職者、社員、スタッフ、清掃スタッフ、事務職スタッフ、
時と場合によっては、店舗に関連する専用業者、営業マン、なんてのも入る事が出来る。
それだけ多種多様な人達が自由に入れる場所なので、貴重品などの自己の管理は特に注意すべき!
それが店舗のルールとして義務づけられており、徹底厳守しなければならない事柄。
リク
『なんで鍵付きのロッカーを利用しないの?』
スタッフ
『スイマセン‥』
リクはこのスタッフにお小言を言わなければならないのだが、
現金紛失と言う重大事件の面してる今、悠長に説教をしている場合でもない、
あらためてスタッフには他に無くなっている物は無いか?
無くなった現金は正しい金額なのか?
それを確認させ、その間に店長へと報告、相談をと事務所へ駆け込んだ。
リク
『店長、ちょっとご相談宜しいでしょうか?』
店長
『ん?どうしたの?』
この日は中々に忙しい日でも有り、店長が事務所の番をしてくれていたので助かった、
リク
『‥実は』
リクは店長に、この盗難事件を相談した。
店長
『、、、、』
神妙な面立ちで話を聞く店長‥
店長
『詳しい話を聞きたいから、盗難にあったスタッフを呼んで来てくれ』
リク
『はい、分かりました』
リクはホールへ戻ると、その 被害者スタッフに事務所に行く様に伝えた、
そこから30分〜1時間近く経過しただろうか?
事務所に向かったスタッフが戻って来た。
スタッフ
『リクさん、ご迷惑をかけてすいません』
リク
『あ、あぁ』
この時点では店長との話の内容は、全くと分からない状態、
店長
『あーあー、リク君、ちょっと事務所まで』
次の瞬間、店長からインカムマイクを通して呼び出しがかかった。
リク
『了解です、事務所に向かいます』
コンコン(ドアのノック音)
『リクの丞、入ります』
ガチャ(事務所のドアを開ける音)
店長
『うん、そこの椅子に座って』
もちろんこの呼び出しの内容は、先程の盗難事騒ぎの説明だった。
店長
『さっきの話なんやけどな』
色々と話を聞いた結果、怪しいと思われる人物の存在が出てきた。
その人物とは‥!?
リク
『た、玉ちゃんですか?』
俄かに信じられないが、スタッフの話を聞いている限りでは、
紛失した現金がちゃんと確認出来た時間から、現金が無くなったと気づいた間に、
休憩室に入って行ったのは、新人スタッフの『玉ちゃん』ただ1人だった。
リク
『えっ、でも彼女がそんな事をする様には‥』
店長
『とりあえず玉ちゃんにも話が聞きたい、呼んで来て』
リク
『は、はい』
リクの心中は穏やかでは無かった、あんなに頑張って働いていたのに、
裏では隠れてそんな事をしていたのか!?
少しばかりの疑心が芽生えつつあったが、それでも同じ職場の仲間を疑いたくない、
その気持ちに変わりはなかった。
リク
『玉ちゃん、店長が呼んでるから事務所に行ってくれるかな』
玉ちゃん
『はい!分かりました』
そこから約1時間
店長と玉ちゃんの話し合いも、随分長くなっていると感じた。