某月某日、8時20分。
私はコーヒーを飲みながら、
朝ミーティングの準備を終えようとしていた。
私のいる部署は人数が少なく、
上司と後輩を合わせても3人しかいない。
立場的に中堅の私は、
毎朝のミーティングの進行役を任されている。
スケジュール確認完了。
今日の報告事項も整理できた。
配布資料も準備OK。
あとは、ミーティング開始を待つだけであった。
<ブブブッ
スマホが震えた。
…妻からのLINEのようだ。
(仕事前に来るなんて珍しい…)
妻は必要時にしかLINEをしてこない。
ましてやもう職場に着いていることも分かっているはず。
そんな妻がこんな時間にLINEを?
まさか…!?
子どもの身に何かあったのか?
嫌な予感が脳裏をよぎる。
私はたまらずLINEを開いた。
『ねぇ、パチンコ行ってるの?』
何かがあったのは…私の身であった。
(BGMサンサーラ/中孝介)
♪生ーきてーる
♪生きーてーいるー
■ザ・ノンフィクション■
〜バレた男〜
本日お届けするのは、
パチンコを打っていることを、
長年隠し続けた男の物語。
妻にバレたその時。
男は何を考え、何を想うのか。
ノンフィクションです。
ご覧ください。
…
…
……
…………
あばばばばば
(゚д゚)
な、なぜだっ?!
結婚して10年近くそんな素振りすら見せたことなく、
バレる要素なんて無かったはず!
タバコの匂いだって最近特に気を付けてるし、
知り合いに見られることが無いように、
わざわざ遠いホールに行ってるのに…。
って、
もうミーティングの時間じゃん!
ととととりあえず、
ミーティングだけはこなさないと。
ミーティングは長いと15分近くかかる。
ましてや今日は一段と報告事項が多いから、
早めに来て準備してたのに…。
不自然な既読スルーになってるじゃねぇかってはよミーティング終われぇえええ!
(゚д゚)
………
色々と動揺していたのだろう。
ミーティングはボロボロであった。
やけに汗もかいてるもんだから、
上司から体調を心配されるレベルだった。
しかし、今はそれどころではない。
もうかれこれ20分は既読スルーしている。
それにしても…なぜバレた?
あ。
そういえば昨日下皿を開けた時に、
いくつか玉が跳ねて下に転がった。
あの時に跳ねた玉がカバンに入って、
それを家の中で落としたとか?
限りなく可能性は低い。
低いが…無くはない。
とりあえずは落ち着こう。
そして、何かしらの返信をせねば。
しかし、
この時の私はよほど動揺していたのであろう。
冷静さを欠き、
普段であればやらないミスを犯してしまった。
というのも…
私はさっき考えた通り、
言い逃れようが無い”絶対的な証拠”を掴まれているのだと考えていた。
その潜在意識があり、
かつ、
焦っている私はこう返信した。
『実は…昨日ちょっと行ったんだよね。』
実際に前日も行っているので、嘘ではない。
だがしかし。
このタイミングでこれを言うべきではなかった。
ここで私が選ぶべきは『どうして?』という質問返し。
100%の確証がないのであれば、様子を伺うべきだったのだ。
妻にバレた理由がなんとなく分かれば、
上手くごまかすこともできたはず
…完全に悪手だ。
そのことを送った後に気付き、
しかし送信済みでどうしようもなく、
ぐぬぬ…と唸る私。
<ブブブッ
苦悩している私を、
妻はどこからか見ているのかもしれない。
そう勘違いさせられるぐらいに
妻からの返信は、
すぐに返ってきた。
〜あとがきへつづく〜
…
………
はい!
唐突ですがここからは稼働です。
パチンコ日記サイトですからね。
先程の続きは稼働後にありますので、
最後まで読んでやってくださいね。