蜂須賀ミルキー日記パチスロ短編小説♪


この日記の2ページ目です。




「(はー・・・マジあいつらといると疲れる)」




アキバの地下アイドル歴5年。


手あたり次第に受けた所属オーディションで、唯一受かったのが今のプロダクションだ。


キョウコとナルミは、そこで知り合って、


マネージャーに3人組グループとして組まされた。




イメージ的にキョウコはしっかり者、


ナルミは柔らかほんわか、


私はその真ん中の、いつでも明るい元気キャラってわけ。


パチスロ蜂須賀ミルキー002




「(あくまでキャラであって、別にそんな、いつでも元気でもないし)」




ツインテールを解いて、
(っていうかカツラなんだけどね)


3枚に重ねたつけまつげとメイク落として。


マスクとメガネだけで変装完了。


地味顔だから、誰にも気づかれたことがない。





裏口を出ると、さっきまで会場にいたファンとすれ違う。


『今日こそミルキーに逢うんだ!』


なんて叫んでるのを背中で聞きながら、信号を渡る。


華やかなネオンの駅側とは反対の方へ。

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さっき財布の中を見たら、全然お金がなかったから今夜は歩いて帰ろう。



「(アイドルって、もっと儲かるモンだと思ってたんだけどな)」




実家のある岩手から上京してきた時には、予想もしていなかった現実。


・・・でも、いいのだ。




ああ、こうして部屋の前に立つだけでも匂いが漂ってくる。


ポケットから取り出した鍵を開けて、室内に入る。


音に気づいて、キッチンからぴょこりと彼が顔を出してきた。



「おかえり。ちょうどスパゲッティが茹で上がったところだよ」



頬を緩ませて、ゆっくりと笑う。



「ただいまーっ!シンジくんっ!!」



「歌はいいね。歌は心を潤してくれる。

 リリンの生み出した文化の極みだよ」




「カ、カヲルくんっ!?

 今日はカヲル降臨でござるな!!」



パチスロ蜂須賀ミルキー003




ううーっ、たまらんたまらん!


辛抱たまらんっ!!


この石田彰ボイス・・・


ハ レ ル ヤ!!!!





そう、同棲中のシンジくんは、


料理の腕と石田彰ボイスを兼ね備えた年下彼氏なのだ!


出来上がったばかりのカルボナーラを食べ、


今日の出来事を渚カヲルボイスをで聞きつつ・・・癒される。


上京してきて悪いことばかりじゃないって思えるのは、いつだってシンジくんのおかげだ。




私が極度の声フェチだと知って、


石田彰が演じてきたキャラを日替わりで披露してくれるのだ!


そんなヲタクの要求にも応えてくれるシンジくんが・・・シンジ、く、っん、がッ・・・!!


はあああ、もうだめええぇんッ!


イ・・・イッちゃううう!!






Σ(‘A`) ハッ


・・・と、取り乱したけれど、


別に、変態な訳じゃないからね!?



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