親になってみてわかった事がある。
それは、たぶん親も悩みながら子育てしていたという事。
自分が小さい頃、
両親は絶対的な存在で、
あまり弱さを感じたことはなかった。
だから、すごく強くたくましく見えていた。
けど、今、自分が親になってみて、
たぶん子供からは見えない、子供には見せない悩みがたくさんあったんだろうと感じる。
例えば叱る時、
「ちょっと感情的に怒りすぎたかな?」とか
「あそこは怒る所じゃなかったかな?」とか
あとで後悔することがある。
最近ではこんな事があった。
うちではお風呂に入る前にオシッコに行く事を習慣づけており、
毎回「お風呂の前はオシッコ」と言い聞かせている。
その日もお風呂の前にトイレに行かせたのだが、
すぐにトイレから戻ってきた。
あまり出なかったようだった。
すると突然、「お水が飲みたい」と言い始めた。
別に水分を取ってない状況でもなかったし、すでに裸だったので、
「お風呂あがってからにしなさい!」
と、お風呂に入るように促した。
しかし、
「水飲みたい!」
「水飲みたい!」
しつこい息子。
「いいから早く入りなさい!」
しばし押し問答が続き、
「みずぅぅぅ・・・(泣」
ついには泣き出してしまった。
「もう!!じゃあ行ってこい!
早くしなさい!!」
あまりの頑固さにイライラしてしまい怒鳴ると、
息子は泣きべそをかきながら水を飲みに行った。
そして、少しして戻ってくると
「よし、オシッコ、オシッコ。」
と言いながら、またトイレに向かった。
この瞬間、俺はハッとした。
息子は、ただ水が飲みたかったわけではないのだ。
水を飲むのはあくまで手段で、
本当の目的はオシッコだったのだ。
「お風呂の前にオシッコしなさい」
そう言われていたが、
オシッコしに行って出なかった。
でもオシッコしなきゃいけない。
そこで、水を飲めばオシッコが出ると思ったのだ。
なぜ急にあれほど水を飲みたがったのか、合点がいった。
と同時に、自責の念にかられた…。