朝からパチンコを打っていて、
けっこう深めにハマっていて、
それが3日連続で、
マジでパチンコって、この世から無くならねえかな
と思い始めたころ、
腹が減ってきた。
半日以上、
鼻炎持ちには相当に不快なエアコンの風を浴びながらの稼働だったので、
もはや鼻水が止まらず、髪まで乱れていて、
こりゃラーメンでも喰って温まらねえと、
本格的にやってられんわ。
と思うに至ったので、
自分が積み上げたクソつまらない数字が、
無表情に刻まれたデータカウンターに手を伸ばし、
店員を呼び、
せめて飯だけは喰ってもいいか?
と告げて、外へ出た。
外は日の光が眩しくて、
目の前が白くなり、くらっとくるような感じだが、
夏の太陽のように肌を焦がす感じではなく、
春らしさの残る、梅雨入り前の穏やかな天気だった。
風にそよぐ駅前の花壇の前を通り、真っ赤なチューリップを横目に、
予定通りのラーメン屋へ向かった。
しかしその途中、思いがけず、
パン屋から、
パンのすごくいいニオイがしたので、
ラーメンの予定を変更して、外でパンを食べる事にした。
俺が神社の鳥居の近くの岩に腰かけて、メロンパンをかじる光景なんてのは、
警官に職質どころか、
神様から天罰が下りそうなものだが、
こういう場面では、そういう危険を冒しても、味わう旨さがある。
俺がパチンコを通して楽しさを感じるのは、こういう時だ。
計画通りにラーメンを食べる楽しさもあれば、
気まぐれでパンを食べる楽しさもある。
計画通りに事を運ぶ、充実感や達成感もあるが、
気まぐれには、そういうものとは別の贅沢さがあると思う。