雨が降って、桜が散った。
駅前通りの賑やかさの中にある桜の木。
それらは灰色の空の下であっというまに華やかさを失い、
黒々と幹を濡らしていた。
苔に覆われた根本には、
いまや桜を見上げる人はなく、
カラスが一羽、なにくわぬ顔で雨宿りしているだけだ。
住む場所は変われども、
毎年かならず目にしている、桜が散った直後の同じようなその光景。
それは散ることが自然と分かっているのに、
散ってしまったなあと思わせるものがある。
もう見飽きてもおかしくないと思うのだが、それでいてなお、
散ってしまったなあと。
パチンコメーカーの、
マルホンさんと奥村さんが潰れてしまった。
マルホンさんは民事再生なので、
今後はなにかしらの形で残るかもしれないが、
奥村さんは破産したようなので、
完全に姿を消すことになるのかもしれない。
つい最近まで、
普通に新台を出していたように見えたメーカー。
それらが相次いで潰れてしまったという事で大変に驚いた。
今までは、サミーがタイヨーエレックを買ったように、
吸収・子会社化という形はあった。
しかし今回のような事はパチンコメーカーでは無かったように思う。
毎年、桜が散るのは自然でも、
メーカーが潰れるというのは、
そうそうお目にかかるものでもない。
これはいよいよヤバイのかと思わざるをえない。
にしても、この業界は
メーカーの独り勝ちという印象だったが、
実はあんま儲かっていなかったのか。
ま、そう考えると俺がイマイチ勝てていないのも
自然の流れか。
そういう問題ではないか。