(ま、待て!外に出るな!)
叫んでるつもりでも声に出ない。
これがどれだけ悔しいか分かるだろうか?
目の前の状況に対して、自分一人だけ何もできないのだ。
(くそ!!くそ!くそが!!動けよ!!!!)
なんとかして金縛りを解こうと、体全体に力を込めるが動かない。
そして必死にもがいていると
「クスクス…」
耳元で笑い声が聞こえた。
それは女の声だった。
その声に対する恐怖と体が動かない怒りで、俺の頭はパニック寸前。
「うるさいんじゃボケがぁあ!!」
!?
声がでた!!
と同時に体も動いた!!!!
俺は真っ先に唸っているBの体を揺さぶり、
「おいB!こっち見ろ!頼むから!こっち見てくれ!B!」
体を強引に後部座席に引っ張りこみBの意識を戻そうとした。
だがBは…ダメだった。
もう俺の手に負えない感じで、
ヨダレを垂らしながら笑っている。
フロントガラスにいる女を見るともうそこにはいなかった。
周りにいた男の子も軍団もいない。
まさか次はあの3人の方に…!?
どうする??
Bを置いて走って探しに行くか?
それとも車で追いかけるか?
でも、どこ行ったかもわからないし、車で行けないところに逃げたかもしれない。
それに、もしかしたら車に戻って来るかもしれないし…。
どうする!?どうすればいい!?