まるみん日記第三十三話♪

【まるみんの前書き日記】
ワタノサンという人。
〜ラオウにいさん〜



前回前々回の続きから。)





ラオウにいさんとおかあさんは、昔から折り合いは悪かった。




ワタノ兄弟には、本当はもう一人兄弟が居た。


ラオウにいさんの下に


「ジャギにいさん」が居たのだ。


先妻さんの子供だ。




おかあさんは先妻さんの息子たちとも仲良くしたかった。


おかあさんなりに思い描いていた家庭像が有った。


だけども、実際には難しいことが多すぎた。


おとうさんは婿養子ゆえの気兼ねからか、


考え方も性格もバラバラな先妻の息子たちと


後妻であるおかあさんとの間で上手く立ち回れなかった。




おとうさんの職業は教師。


熱血教師だったけど、


家の事はなかなか思い通りに出来ず、


その鬱憤をお酒を飲んで解消していた。


酒癖はあまり良く無かった。






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おかあさんは結婚する前から


編み物教室の先生をやっていた。


結婚後も子育てをしながら編み物教室を三軒経営して、


家計を回していた。




育ち盛りのラオウ兄さん、ジャギ兄さん。


そして実子のトキにいさんと、ワタノサン。


家事は何も出来ない昭和一桁台生まれの男、


おとうさん。


おかあさんは男ばっかりの家族の中で、


それはそれは苦労をしたことだろう。


おかあさんが生前、


おとうさんに対する恨み言を言っているのを私も聞いた事があった。





息子たちが大きくなっていく中、


ジャギ兄さんが、グレた。


不良になり、おかあさんはよく学校に呼び出された。


おかあさんに暴力も有ったらしい。


ワタノサンは、ジャギ兄さんが一時大嫌いだったそうな。


ラオウ兄さんもトキ兄さんもそれぞれツライ思いをしていたけども、


子供の身ではどうにもならなかった。


だけど、大人にもどうにも出来なかった。


何も出来ず…お酒を飲んで暴れてしまうおとうさんに、


恨みのような感情を、それぞれの息子たちが募らせていった。






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