川藤日記第十六話♪

【川藤のパチンコ日記】
大切な人との別れ、そのために



コッ


コッ


コッ





蝉の声がしなくなり、代わりに鈴虫が鳴く季節になった。





先日、外を歩いていると。


なぜかまだ蝉の声が聞こえた。


明らかに一匹だけ鳴いている。





蝉は一生のほとんどを土の中で過ごす。


外に出てきて鳴けるのは1週間くらい。


パートナーを見付けて、子孫を残すために。


だが、あの蝉は一匹だけだった。


なぜ出てきた!?


他の仲間はまだ土の中に居るというのに…





そんなたった一匹で鳴いている蝉を見て、他人事には思えない気持ちになった。


実は、







川藤にも大切な人が居る。


いや、居たと言うべきか。




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大切な人から先日、


突然の別れを言われた。


夢を叶えるため、そう言われた。


川藤には止めることは出来なかった。


もう十年以上一緒に居たが、次のステップには中々進めなかった…


現状維持


それしか川藤には出来なかった。







出会いは唐突で強烈だった。


友達と5人位で飲んでいた時に君は、「うるさい!」と怒鳴り混んできた。


何とか怒りを納めて、冗談半分に一緒に飲もうと言ってみたら、


君は少し恥ずかしそうに席に着いてくれた。





そこから君と仲良くなるのにさほど時間は掛からなかった…


よく二人でカラオケに行って、


「真夏のオリオン」を二人でデュエットした。


二人とも酒が弱いのに無理に飲んで、介抱したりされたり。


辛いときも楽しいときも一緒だった。





…なんだよ、


ミャンマーって…!!




ミャンマーに行って何をしようってんだ!?


何だよ、どうしてだよ…


なぁ…











岡部よ。







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